コロナ就活で面接官はどこを見ている?“ガクチカ”問題の本質/常見陽平
コロナ禍は大卒者の就活にも影響を与えた。変化してきたのは、就活全体の流れと手段だ。2021年卒はオンライン化を急務とされた企業が手探りを続けてきたが、今年は改善され、会社説明会や面接でオンラインとリアルを組み合わせる形が浸透してきた。
ただ、課題も浮き彫りになってきた。学生が企業へどのように自分自身の能力・資質をアピールするべきか。外出自粛などの影響が、就活の現場にも生じている。
コロナ禍で変化しつつある就活
筆者は、千葉商科大学で教鞭をとりながら、学部のキャリア委員長も担当している。学生の進路をどう応援するか。大学全体を通して、学生たちの強みを活かし、どの業界や企業に卒業生を送り込むか、就活についての施策を大学側と連携しながら考えている。
就活生と向き合う機会も多いのだが、コロナ禍になってからは就活に迷う学生も増えてきた。
理由のひとつは、必ずしもキャンパスに来なくなったので他の学生の動きが見えづらくなったからだ。これまでは、金髪の学生が黒髪に戻し、リクルートスーツを着る様子などをみて「そろそろ就活の時期か」と実感した。一緒に走っている仲間がいた。この体験を、この1年で学生たちは味わいづらくなってしまった。
一方で、彼らの就活の情報収集方法にも変化が生まれてきている。就活系YouTuberの動画を参考にする学生がいたり、ツイッターなどで就活系アカウントを積極的に閲覧する学生などもいるが、ここ最近では、インターンシップがサークル化してきた。実際、同じ大学に通う学生たちと交流しづらくなったために、企業のインターンシップで就活の仲間を見つける学生たちも少なくない。
筆者と知り合うために参加する学生も
閑話休題。じつは、この「bizSPA!フレッシュ」の運営元である扶桑社のインターンシップにも思い出がある。扶桑社のインターンシップはメディア業界への登竜門と位置づけられていて、過去には筆者も何度も講師として登壇した。
いわゆるワンデーインターンシップで、セミナーに近い形式ではあったが、扶桑社の現役社員による企画ワークショップや、ここだけの話を連発する私の講演などで構成され、毎回、百数十名の学生たちが参加してくれて、参加者が扶桑社をはじめあらゆる出版社の内定を勝ち取っていた。
過去には「常見さんと知り合いたいから参加したかったんです」と話しかけてくれた学生もいて、面白かった。