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コロナ就活で面接官はどこを見ている?“ガクチカ”問題の本質/常見陽平

学び

企業側は学生に完璧を求めてはいけない

マスコミ就活に向いていない人の戦い方

 コロナ禍では、学生を採りたい企業が新卒エージェントに頼る機会も増えてきた。

 新卒エージェントは、企業側に代わって素質ある学生を見出して人材を提案する立場だが、面接が苦手な学生と隠れた優良企業をマッチングするなどのメリットもある。しかし、リクルートサイトと異なるのは、彼らが紹介料で儲けている点で、そのため学生に「早く決めろ」と執拗に迫るケースもある

 今後、就活自体の意義が変わってくるのも考えられる。働き方において、いまだに同じ会社で長く勤めたいという人がいる一方で、あくまで「最初の1社」として捉える若者もいる。

 新卒の1年目でも、年収が初年度から1000万円を超えることもありうるという企業も現れている。いかにも即戦力を求める動きのように見えてしまうが、若者に完璧であることを求めてもいけない。未経験、未完成の若者の可能性にかけるという、新卒一括採用の特徴は大事にしたい。

 社会が急激に変化している今。試されているのは、就活生ばかりではない。企業側もまた、未来の人材に対する意識を変化させる必要があるのだ。

<TEXT/千葉商科大学国際教養学部准教授 常見陽平>

働き方評論家。千葉商科大学国際教養学部准教授。1974年、北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業、同大学院社会学研究科修士課程修了。『社畜上等!――会社で楽しく生きるには』など著書多数
■Twitter:@yoheitsunemi

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