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コカ・コーラの味は創業から同じ、でも「サイズ変更に踏み切った」深いわけ

ビジネス

今の時代にあった最適な容量とは?

――そんななか、2020年1月からは350mlと700mlの新容器サイズを1都3県でテスト販売したとのことですが、これはどんな背景があったんですか?

安念:2019年から調査や分析を進めていくなかで発見があったんですよ。これまでコンビニや自動販売機では、買ってその場で飲む“即時消費”のニーズが高く、他方でスーパーマーケットやドラッグストアなどでは家へ持ち帰ってから飲む“将来消費”が多かった。

 我々の販売意図として、500mlPETは「飲みきってもらう」即時消費用のパッケージとして、どの販売チャネルでも展開していましたが、「本当に500mlでお客様のニーズを満たせているか」疑問に思うようになったんです。

――正直、容量の違いってそんなに影響しない……と個人的には感じるんですが、やはり違うものなんですかね?

安念:もちろん、消費者によって価値観や消費志向は違いますが、スーパーマーケットへコカ・コーラを買いに来るお客様って、1人で飲むか、あるいは2人以上のグループで飲むかに分かれるんです。500mlだと1人の場合は量が多いし、反対に2人以上のグループだと物足りない。そこでサイズを見直し、1人用の350ml、グループでのシェア用に700mlの新容器サイズを出すようにしたんです。

少人数世帯が増えたことで変化が

コカコーラ

――ライフスタイルや時代の変遷とともに飲まれ方も変わってきているんですね。

安念:そうですね。夫婦のみ(DINKS)や、少人数の世帯が増え、大容量サイズの1.5LPETを飲用する機会が減少している。その時代のライフスタイルや社会背景にあったコカ・コーラを提案し続けるためにも新しいイノベーションを起こしていく必要があるんです。

――それでまずはテストマーケティングとして、1都3県から先行販売を行ったと。

安念:まずは主要エリアからテスト販売しました。その結果、たまたまコロナ禍で家庭内消費のニーズが注目されるようになったこともあり、新容器サイズを導入した店舗のほうが売り上げが伸びた。ファクトが集まったのを受け、2021年3月25日からは全国展開へ踏み切ることに決めたんですよ。

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