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コロナ感染者が急増する台湾の対策は…コンビニ入店でも名前を登録

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 新型コロナウイルスの抑え込みに成功し、「新型コロナ対策の優等生」とされてきた台湾に異変が起きている

 台湾政府・衛生福利部中央流行疫情指揮センターの発表によると、台湾内の新型コロナウイルス感染者数は5月初旬には1日に1桁であったが、その後急速に拡大。5月17日には441人(当初発表は333人、のち修正)もの新規感染が明らかとなり、過去最高を記録した後も感染拡大を止めるまでには至らず、16日から22日までの1週間の感染者数は2535人にも上ることとなった。

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台湾・総統府(台北市)

 こうした急速な感染者の増加によって、市民生活にも変化が起きつつある。

感染拡大の発端は「パイロット」

 台湾での新型コロナウイルス感染拡大のきっかけは、国際線のパイロットに端を発するものだった

 5月初旬までに中華航空のパイロットとパイロットが宿泊するホテル関係者ら33名の感染が発覚。台湾・中央流行疫情指揮センターはパイロット全員に対し2週間の隔離徹底を指示したものの、感染は徐々に市中に拡大し、5月11日から12日にかけては台北都市圏の夜型飲食店や地方の宜蘭県でも感染者クラスターが発生。

 15日には1日の感染者数が初めて100人を超え、同日には特に感染者が多い首都・台北市とベッドタウンである新北市の、19日には台湾全土の警戒レベルを4段階のうち「レベル3」に引き上げた。

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5月の「感染拡大」の発端となったホテル(桃園市)。ホテル(左)に隣接して中華航空のオフィスがある

 警戒レベルの引き上げにより、屋内で5人以上・屋外で10人以上の集会も禁止され、違反した場合には30万元(約120万円)以下の過料が科されるほか、マスクなしでの外出も禁止されており、違反した場合には1万5000台湾元(約6万円)以下の過料が科されることとなった

 こうしたなか、台湾の街なかでは感染拡大を防ぐべく様々な「変化」が起きている。

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地方でも感染者クラスターが発生している。ゲームセンターでのクラスターが発生した宜蘭県羅東鎮の中山北路地区

感染再拡大で市内に起きた様々な「変化」

 感染拡大が続くなか、台湾内の「最も大きな変化」として挙げられるのが「店舗への入店方法」だ。

 台湾でも感染拡大が明るみに出た直後は市民がスーパーマーケットに殺到してインスタント食品やトイレットペーパーを買い溜める動きがみられた。しかし、約一週間が経過した現時点ではマスクなど衛生用品を含め(一部のインスタント食品を除いて)商品供給は比較的安定しているという

 一方で、台北市、新北市、高雄市など大都市の飲食店は24日前後から「店内での飲食禁止」となった。取材に応じた新北市出身の男性は「多くの飲食店は感染拡大後も持ち帰りや配達のみで営業をおこなっている」としたうえで、「テイクアウト(外帯)文化の台湾ではもともと持ち帰り商品を販売していた飲食店が多く、コロナ禍の影響が大きい店舗の割合は日本ほど多くないのではないか」と話す。

 ただ、このように多くの店舗が「営業中」であるがゆえに、行政による具体的な休業補償については「まだまだこれから」だという。

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日系飲食店各社も24日から「テイクアウト(外帯)」「外送(配達)」のみの営業となった。大分市に本社を置く「ジョイフル」の台北大直店(台北市)と、同店の店内飲食休止を伝えるLINE

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「台湾ロイヤルホスト」の持ち帰り弁当カウンター(コロナ禍前から設置、台中市)。台湾では日系チェーン店であっても以前から「持ち帰りメニュー」が充実していることが多い

 こうしたなか、台湾政府が推奨しているのが、入店前に来店者の連絡先などを登録したうえで店舗に入るという「実連制」だ

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