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メンソールで勃起不全になるのは本当か「勃起不全(ED)の都市伝説」の真相

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飲食とEDの関係とは…

小山太郎医師

Dクリニック東京・小山太郎医師

 ところでマンガ『ゴルゴ13』では「SEXの前に飲酒するのは良くない」と語られていた。専門家によると、飲酒がSEXに悪影響を及ぼすというのは事実のようだ。

「性交前の飲酒により、勃起が弱くなることはあります。一方で、飲酒により緊張感が薄れて、その結果、性交がうまくいくというケースもあります。個人差がありますが、長期間にわたる過剰な飲酒がEDの原因になる、という論文が示されています

 ねばねばした食べ物は精がつくと言われているが、これは俗説と切り捨てられた。

「肥満や糖尿病はEDの原因になりますから、長期的に見れば、食生活による影響がゼロということはないです。ただし、特定の食べ物を食べたからといって、すぐに勃起に良い・悪いというのはありません

性的興奮を抱くかは別

 女性と比べると安易に語られることが多いが、実際のところ、男性の性もまた繊細である。異性の裸を見れば勃起するとか、摩擦を経れば終わるとか、そう簡単にいくとは限らないのだ。

 精神面が理由で性交がうまくいかない場合、どんなアプローチが可能なのか。

「緊張や不安感のせいで勃起しない、ということもあります。理由がすべて精神的な問題だとすると、それはPDE5阻害薬では解決しません」

 勃起薬はあくまでもEDの治療にあてるものであって、性的興奮自体を促すものではないのだという。

ED薬は性欲を高める薬ではないし、精神症状に直接は効果を持ちません。専門外ではありますが、心因性の勃起障害に関しても、交感神経や副交感神経に作用する薬を用いた治療があるようです」

 ED治療はいろいろだが、現在の環境下で最有力の選択肢として医師が提示するのが、前述したPDE5阻害薬である。

「心因性を疑う患者さんにしても、実際のところ、原因の100%が精神的なものとは限りませんよね。ED薬で最初の性交がうまくいって安心感を持った、というケースも実際にあります。悩んでいる人は、『ED外来』を持つクリニックに相談してみてはいかがでしょうか」

<取材・文/bizSPA!取材班>

【小山太郎】
慶應義塾大学医学部卒業。同大学院で骨格筋の再生医療の研究、Brigham and Women’s Hospital(Harvard Medical School)で創傷治癒の遺伝子治療の研究に従事。現在は男性型脱毛症専門外来、男性更年期専門外来での診療の傍ら毛髪の研究に取り組んでいる。常に最新の知見に基づいた診療を心がけている

bizSPA!フレッシュ編集部の記者(編集者)が、20代のビジネスマン向けに、気になる世の中の本音や実情を徹底した現場取材で伝えます。

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