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NiZiUとのコラボで「5G競争」一歩リードへ。ソフトバンクの布石とは

ビジネス

 5G(第5世代移動通信システム)が次世代の通信技術として脚光を浴びてから早や1年が経つ。NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなど携帯各社は“5G覇権”を巡って競い合っており、今後ますます熾烈を極めることだろう。

 そんななか、携帯キャリア大手のソフトバンクが展開しているのが2020年に提供を開始した「5G LAB」だ。最先端のXR技術(現実と仮想の世界を融合する技術の総称)を使い、臨場感に富んだエンタメやスポーツなどの映像体験を提供している。

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ソフトバンク株式会社 サービス企画本部 コンテンツ推進統括部 コンテンツ企画課 課長の臼倉裕市氏

 今回はソフトバンク株式会社 サービス企画本部 コンテンツ推進統括部 コンテンツ企画課 課長の臼倉裕市氏に、5G普及にあたって取り組んでいることやグローバル・ガールズグループ「NiziU(ニジュー)」とのプロジェクト「NiziU LAB(ニジューラボ)」を立ち上げた背景について話を聞いた。

5Gと最先端技術の融合による新しい映像を

 臼倉氏は2005年に新卒でソフトバンクBB(ソフトバンク)に入社後、Yahoo! BB事業に参画。2015年にはモバイル事業にてスマートフォン向けのコンテンツサービスの立ち上げに従事し、2019年から5G周りのXRコンテンツ企画に携わっているという。

 そして2020年、5Gの商用化に合わせてサービスを開始したのがソフトバンクの「5G LAB」。5Gの持つ高速大容量、低遅延、多接続のうち、まずは高速大容量を最大限に生かした、映像コンテンツを提供している。

「5G LABはAR(拡張現実)やVR(仮想現実)、FR(Free view point Reality:多視点を意味する造語)、クラウド・ゲーミングといったテクノロジーを活用し、全部で4つのサービスを展開しています。5Gの技術は従来のエンタメ、スポーツ、ゲームなどを劇的に進化させるものであり、5G LABはラボラトリー(研究室)のように5Gの将来性を見据えたコンテンツ開発の役割を担っています

 また、5Gの認知度を向上させ、普及を進めていく上でも5G LABはきっかけになっているそうだ。

パートナー企業との共創で5Gを普及

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「5Gだからこそ体験できるリアルで躍動感あふれる音楽ライブやダンス、舞台などのエンタメはYouTubeなどでの既存のサービスでは味わえないものになっています。ARやVRといった技術は、日常で触れる機会はまだ少ないですが、5G LABのコンテンツであれば、気軽に5Gを生かした最先端テクノロジーを体感することができるんです

 2021年3月時点では5Gの基地局整備の関係で、5G対応の通信エリアが限られており、普及は道半ばといったところだが、5G LABは今後の5G普及の鍵になるかもしれない。

「そのほか、パートナー企業との共創により、5G普及に向けた活動も行っています。女性アイドルグループ『AKB48』とのコラボでは、劇場公演のライブやミュージックビデオを配信し、ファンの方に向けて5Gコンテンツの訴求を行なっています。

 また、講談社が持つLIVEエンターテインメントビル『Mixalive TOKYO』と連携し、施設内全フロアに5Gネットワークを整備し、来場者に5Gの普及促進を促す取り組みも行なっています。他の携帯キャリアではできないような独自の5Gコンテンツを配信していきたいですね」

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