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芸能生活50年の研ナオコさん、「自分を大事にすること」ってなんですか

暮らし

 これから社会の荒波に揉まれようとする若者に、各界で活躍する大先輩たちはどんなアドバイスを授けてくれるのか。今回話を聞いたのは、2020年で芸能生活50年を迎えた歌手・研ナオコさん(67歳)

研ナオコ

研ナオコさん

 数々の大ヒット曲を持ちながら、女優、コメディエンヌとして今まで芸能活動を続けてこられた背景には、人との「縁」があったと振り返ります。縁をつかむためにはどうしたらいいのか、そして2020年に亡くなった志村けんさんとの縁――。2回にわたって、じっくりお話を聞きました。

インタビュー後半はこちら⇒「志村けんさんは感性が似ていた」研ナオコ、“アマビエ姿”からの1年間

辞めたいと思ったことはない

――芸能生活が50年を超えました。これまでに悩んだことや、やめたいと思ったことはありましたか。

研ナオコ(以下、研):ないです。一度もない。忙しくて、寝る時間がなくて身体がしんどいときはあったけど、辛いというのはなかったです。

 時代が、今と私がデビューした頃とは違いますよね。私たちが10代20代の頃は、1回仕事についたら絶対やめちゃいけないという雰囲気があった。特に私は親の反対を押し切って東京へ出てきたから、決めたことは最後までやり通すという決意があったの。もちろん好きで始めたことだったし。だから辛い、嫌だと思ったことはないですね。

 今は「一度決めたら、なにがなんでも…」というような感覚の時代じゃないでしょ。若い世代のなかには、フリーに生きたい人も多いと思うんですよ。

多すぎて、迷子になっちゃう

研ナオコ

研:それが辞めたい時に辞めさせてくれないとか、続けたいのにすぐクビになっちゃうとか、ちょっと生きにくいのかなぁ……。自分の好きなことすればいいんだけど、今の子たちは好きなことが見つからないっていうのも、あると思うんです。

――今の方が選択肢は多そうなのに、「好きなこと」が見つからない。

研:多すぎて、迷子になっちゃう。インターネットとかSNSとかが広まったこともあって、どこに向かったらいいのか迷っちゃうんじゃないかな。だから結局、すぐに「簡単に稼げる方法」なんかを考えちゃう人も多くなるんだと思います。

――1971年、歌手としてデビュー。その後、ドラマやコント、CMなど活動の幅を広げました。

研:歌手としてデビューしたけど、歌手として認めてもらうまでは時間がかかったのね。それまでの間、田邊(昭知、田辺エージェンシー)社長がずっと、色々仕事を持ってきてくれたの。私はとにかく言われるまま。選り好みとか、好き嫌いとか何も考えずにやっていて。

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