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冷めても美味しい「からあげ弁当」、3大チェーンを達人が実食比較

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オリジン弁当:ニンニク風味でご飯がすすむ

オリジン

 こちらも唐揚弁当グランプリ・全国弁当屋部門で2年連続で金賞を受賞しているオリジン。「若鶏の唐揚げ弁当・4個」(486円)を購入しました。タルタルソース付きなので、これまた味変を楽しめますね。

オリジン

 1個40g以上はあろうかという、ちょっと大きめのからあげです。見るからに食べ応えがありそうですが、ひと口で食べてしまうのはさすがにキビシイ。半分ほどを噛み切って断面を見てみます。購入から15分ほど経過していましたが、ほんのりと肉汁が。この肉汁が期待を高めてくれますね。

 味付けはごはんがすすむ系の濃いめの醤油味。飲み込む寸前にニンニクの風味がフワッと広がり、これがごはんを口に運ぶピッチを加速させます。ごはんの量が足りなくなるのではないかと不安になるほどに。

衣と肉の一体感に注目

オリジン

 このからあげの意外なところは、衣と肉の一体感です。一般的には衣と肉に真逆の食感(衣はカリッ、肉はフワッ)を求める人が多く、専門店でもそのようなからあげが主流です。

 しかしオリジンは違います。どちらもしっとりとした歯ざわりと舌ざわり。歯に何の抵抗も見せない衣が、肉とすぐになじんでくれます。かと言って、肉と一緒になったときに衣が消え失せるわけではありません。両者がうまく交じり合って、衣の香ばしさと、肉のうま味&醤油の風味がじわじわと融合していくのを飲み込むまで楽しめるのです

オリジン

 ここでタルタルソースをつけてみます。やや酸味が強めですが、しつこさはまったくありません。クリーミーでなめらかな舌ざわり。パンチの効いたニンニク風味のからあげを、少しまろやかな味にしてくれます。

 この若鶏の唐揚げ弁当、3個と5個もあるので、そのときのお腹の空き具合と相談して好きな量を選べます。系列の「キッチンオリジン」でも同じものを購入できるようですよ。

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 お弁当はできてから一定時間経過後に食べるもので、おかずがある程度冷めてしまっていることが“暗黙の前提”のようなところがあります。からあげがお弁当に多用されるのも、そして人気があるのも、しっかり味付けをしておけば、冷めても美味しく食べることができるからでしょう。その点、今回食べてみた3店は、いずれも抜かりはありません。味変用の調味料も3店で異なりますが、それぞれよく考えられています。

 この3店以外にも、美味しいからあげ弁当を提供しているお店はたくさんあります。とくに最近はイートイン用のからあげをお弁当で販売しているお店も増えています。新しい美味しさを見つけてみるのもいいかもしれませんね。

<取材・文/からあげライター 松本壮平>

ライター&編集者。日本唐揚協会認定カラアゲニスト。「からあげの聖地」である大分県中津市出身。年間の唐揚げ喫食量は300食を超える。専門店だけでなく、居酒屋、食堂、スーパーなどで唐揚げを見つけては食べてみる「から活(からあげ探索活動)」を継続中
Twitter:@dogesho

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