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企業に会いたいと思わせる「職務経歴書」のコツ。現役CAが解説する

学び

重要なのは“文字”から画が想像できるか

 膨大な応募者の書類選考を行う採用担当者に「ぜひこの人に会って話を聞いてみたい!」と思わせるポイントは、経歴書という書類上に見る“ただの文字”が、読み手の頭の中で“動きのある画”になるかどうかです。

“動きのある画”とは、働く中のどういうシーンで、何を考えて、どう動いた結果、どのような結果を残してきたのかといった、いちビジネスパーソンとして“働く姿がイメージできる状態”のことをさしています。具体的には〈成果をあげるイメージ〉と〈社内で共に働いているイメージ〉が持てるかの2点があげられます。前者をスキルマッチの視点、後者をカルチャーマッチの視点と言い換えても良いと思います。

 これらを踏まえ、自己PRや志望動機を書く際のポイントとして、単に「~を経験をしてきた、~ができる、~していきたい」などと自身の経験や展望を並べるだけでなく、「〇〇の経験で得た□□が貴社の△△の業務をする際に▽▽の点で活かせる」というように、希望企業の情報にも触れて提示することが重要になります。

 これが考えられているということは、募集ポジションで求められるスキルや経験を応募者自身が把握できている、ということの表われでもあります。こうしたPRを筆者は“セルフマッチング”と呼んでいます。セルフなのでその確度は曖昧ではありますが、特にスキル面での親和性を示すことで、少なくとも採用担当者からしてみると「本当に自社で活かせる経験なのかもう少し経験詳細を聞いてみたい」「経験が活かせるのであれば実際に会って人柄を把握したい」など、選考のコマを進める際にプラスにはたらく面が多いと考えます。

配慮のない「冴えない経歴書」からの卒業

職務経歴書

 職務経歴書を作成する上での最大のポイントは「読み手である採用担当者の気持ちになってみる」ということです。主に“コミュニケーションコスト”の点で考えて見るのがおすすめです。ここでいうコストとは、読み手が推測しなければならない事項が多い、文章が長すぎて重要点が曖昧、文字の羅列でポイントが掴めない、さらにそれでいて読み手の時間を奪っているという、“時間とエネルギー”の点になります。

 経歴書を読んだ人に「文章が曖昧で何が伝えたいのか不明だけど、きっとこういうことが言いたいのかな?」と推測の手間を取らせた時点で、残念ながらモテない経歴書といえます。事実がわからないので判断に困るのです。小説などであれば行間や言葉の使い方などで、読み手が想像する部分を残すのは効果的ですが、経歴書は「客観的な事実」が求められるため、誰が読んでも作成者の伝えたいことがブレずに伝わる、そんな経歴書に仕上げたいですよね

 作成した経歴書を自分自身で確認するときは他の人が書いたものだと思って読んで見たり、実際に第三者に目を通してもらうなどの添削依頼をしたりすることで、目に留まる経歴書にアップデートさせていきましょう!

<TEXT/キャリア・アドバイザー 長谷川望>

教育業界から人材業界に転職し、若手人材の就活サポートを行う。内面の問題にフォーカスしたカウンセリングで人の悩みの根本に向き合っています。
■Twitter:@UZUZ_uzcc

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