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Aマッソ加納が思い描く女芸人の“アガりの姿”「私がロールモデルになったる」

暮らし

“モノ申す女芸人”の枠が増えただけ

Aマッソ

「ラランド、納言、蛙亭など女性が主導でネタを書くコンビが増えて、『女芸人はテンプレが蔓延してるだけ』という状況が少しずつ変わってきたのを感じます。世の中の流れもあって、芸人に限らず『女だから』と括られることへの不満をいちいち説明せんでもよくなった。

 それに、YouTubeを始めたおかげで、視聴者の波長と合えばネタを受け入れてもらえることもわかりました。以前はヒラ場の素のトークが恥ずくて、パッケージ化されたネタしか見せたくなかったけど、『絶対に裏を見せない』とかも思わなくなりましたね」

 これまで固定化されていた女芸人の芸への風通しはよくなっているのかと思いきや、ことはそう単純ではない。

「最近は、女芸人がお笑い以外の文脈で『この問題についてはどう思う?』と聞かれて、自分のスタンスをいちいち表明しないといけない雰囲気が逆に面倒だなって。それに、冷静に見ると“モノ申す女芸人”という新たなテンプレ枠が増えただけとも言える。本当にやりたいことができる土壌になるには、まだまだです」

女芸人のロールモデルになりたい

Aマッソ

 では、加納が思い描いている女芸人の“アガり”の姿とは何なのか。

「もっと“アガり”感のある、ドヤっていう幸せそうな女芸人の先輩がゴロゴロおってほしかった。実際におらんってことは、みんなそんな存在を欲しいと思ってないんやなって。……言ってもうた(笑)。でも、いないんだったら私が女芸人のロールモデルになったるからな、という野心もあります。

 例えばですけど、“本音赤裸々トーク”とかをしなくてもいい、自分たちがYouTubeでやってるようなお笑い純度の高い冠番組をテレビで持ちたいですよね。今はまだ、そういうことはでけへんものやと思われている気がするんですけど。そのパターンあるんやって、後輩が思えるようにしたいです」

イルカも泳ぐわい。

イルカも泳ぐわい。

’18年からwebちくまに連載中のエッセイ「何言うてんねん」から、短編小説「帰路酒」などの書き下ろしを含む40編を収録。発売一日で重版が決まるほど話題を集める

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