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格安PCR検査は信用できるのか。乱立する業者に医師が警鐘

ビジネス

 新型コロナウイルス感染の再拡大で「PCR検査」への関心が高まっている。だが、受けようとしても、検査方法や機関が複雑で、かつ保健所によってはすぐに受診できないなど問題も多い。

会社のギモン

※イメージです

 そんななか昨今話題となっているのが数千円で受診できる「格安PCR検査」だ。都内では行列までできたそうだが、意外な落とし穴もある。今回は、自身も医師でオンラインPCR検査や医師オンライン健康相談サービスを手がける株式会社MASAI Medical(マサイメディカル)の梅原淳代表取締役社長に、PCR検査を利用する際の必須知識を聞いた。

PCR検査の不確実な情報が出回った

 そもそも梅原氏が代表を務める株式会社MASAI Medicalは、当初、医療従事者の負担軽減や医療サービスの効率化のためにオンライン診療のサービスを始める予定だった。

 それが新型コロナウイルス拡大によって、急遽、2020年5月には自宅でできるPCR検査サービス「MedLab(メドラボ)」をスタートさせた。しかし、梅原氏は「PCR検査は、インフルエンザの検査でも使われる手法で目新しさはありません」と語る。

「一般の方にとっては、今でも理解が難しいと思います。さらに不確実な情報がメディアやインターネットで錯綜したのも、状況を悪化させています。私たちもなるべく正しい知識を発信するように心がけていますが、PCR検査そのものの『信頼性』はまだ十分ではないと感じています」

格安PCR受診だけだと陰性でも無意味?

梅原

株式会社MASAI Medicalの梅原氏

 自治体によっては発熱の症状が出たり、濃厚接触者になっても、PCR検査を受けられないところもある。そんななかで話題になっているのが、1回20分、2000~3000円で受診できる格安PCR検査だ。

 しかし、安さゆえに注意が必要だという。梅原社長は「いわゆる格安PCR検査だけでは、コロナ陰性を証明する手立てはありません」と明かす。

「PCR検査の結果が陰性だと公的に示すには、証明書が必要となります。格安のPCR検査機関のなかには、そもそも証明書を発行できなかったり、数万円の手数料を請求したりするところもあります。私の知人にも、受診先が陰性証明書を発行しておらず、それをもらうために、別のサービスを受けなおしました」

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