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雪で丸2日も車に…3年前もあった“福井の豪雪” 恐怖体験

コラム

あまりの寒さに一睡もできず…

大雪

「私は雪国に住んだ経験がなく、そんな危険があるとはまったく考えもしていませんでした。ただ、社用のワゴン車には除雪道具は積んでなかったんです。そこで仕方なく足で払ったり、手ですくったりして雪かきを行っていました」

 すると、荒井さんの車の前に停まっていたトラックの運転手が「これを使ってください!」とプラスチック製のスコップを貸してくれたとか。しかし、雪は一向に止む気配はなく、すると新たな問題に悩まされることに。

「ガソリン満タンの状態で出発したので、最初は何も気にせずに車内で暖房をつけましたが、思った以上にガソリンの減りが早くて慌てました。復旧の見通しが立ってないという情報も入っていたため、途中からは暖房を入れたり、切ったりを繰り返していました。スーツの上にダウンジャケットを着込んでいましたが、暖房を切った車内は一気に冷え込むし、夜はほとんど眠ることができませんでした

 沿道にはコンビニなどもありましたが立ち往生した車のドライバーが殺到し、店に行ったときは弁当やパン類は品切れ。売れ残っていたスナック菓子やキャンディなどで飢えをしのいだそうです

この冬の出張は大雪立ち往生を回避

「それでも地元の方がコーヒーなどの温かい飲み物を差し入れてくれて、あれは今までに飲んだどのコーヒーよりも美味しかった。さすがに涙は出ませんでしたが、心の中ではウルウルきていました」

 結局、丸2日も足止めを食らい、脱出できたのは出張3日目の昼。幸いにもカゼなどはひかなかったそうですが、「雪の日にはもう車に乗りたくない」と話します。

「この冬も北陸は3年前に負けないくらいの大雪じゃないですか。あんな思いは二度としたくないので冬場はJRとタクシーを利用しています。基本的には社用車で行く決まりになっているのですが、さすがに会社も大目に見てくれるのでそこは助かっています。本当は雪の降らない地域の担当にしてくれるといいんですけどね(苦笑)」

 仕事やプライベートで大雪の中、車で移動しなければならない人も少なくないはずです。万が一立ち往生したときに備え、除雪道具や防寒具、復旧までしのげる程度の食料などはあらかじめ積んでおいたほうがいいかもしれませんね。

<TEXT/トシタカマサ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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