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池田エライザ、苦しんだ世間とのズレ「初監督は正々堂々。自分のやりたいことを」

 女優であり、モデルであり、時にテレビ番組の司会や歌手としてなどマルチな活躍を見せる池田エライザさん(24)。現在、初監督を務めた映画『夏、至るころ』が公開中です。福岡県田川市を舞台に、2人の男子高校生が自分を見つめていく本作。

池田エライザ

池田エライザさん

 スタッフの人選から携わったという池田監督に、リーダーとして仕事を回していく際に心掛けたことや、「楽しい、生きてる!」と心から思えたという監督業について聞きました。

スタッフの人選も自分で

――池田さんはアートやクリエイティブなことが好きなイメージが強いです。今回、初監督というニュースを聞いたときも、驚きというよりは、納得感が大きかったです。

池田エライザ(以下、池田):嬉しいです。お会いしている方は、そうおっしゃってくださる方が多いです。もともと自分のことを突き詰めてずっと考えているよりも、誰かが新しい感情に触れて、豊かな気持ちになることをサポートするほうが好きなんです。いや、サポートっていうのもおこがましいかな。

 見た目がこうなのでグイグイいくタイプに見られるんですが、自分より人のことを考えていることが好きだし、今回も、この映画を観てくれる人の気持ちが少しでも豊かになってくれたらなという思いです。

――「池田さんが裏方に興味がある」という記事を読まれたプロデューサーさんのオファーから企画が始まったそうですね。スタッフさんは決まっていたのですか?

池田:脚本家さん、撮影部さん、録音部さんに関しては、私がお声がけしました。撮影の今井孝博さんは『貞子』(2019年)のときにお会いしたんですが、『共喰い』なども撮られていて、すごく説得力のある画作りをされるんです。録音部の菰田慎之介さんは、よくドラマやCMでご一緒していて、お人柄もステキですし、福岡出身なので、今回の舞台が福岡県田川市と、方言を判断できることも含めてお声がけしました。

観客を操作しない

夏、至るころ

(C) 2020「夏、至るころ」製作委員会

――心を揺らす青春ものですが、昨今のキラキラものとは全く色合いが違います。本作を作り上げるにあたって、監督として心掛けたことは何ですか?

池田:誇張しすぎたり、デフォルメしすぎたりしない。あくまでも日常の中にある幸せを描くことです。自分に余裕がなくなればなくなるほど、見逃してしまいそうな些細な日常にフォーカスしました。無理のない映画になったかと思います。それから、すごく大切にしていたのは、観る人を操作しようとしないこと。

――操作ですか?

池田:これはこういう映画です、こう感じてください、泣いてください。といったことではなくて、役者一人ひとりの表現したいことをきちんと掬い取って、あとは観る人に委ねる。その人にとっての主人公が誰だったのか、思い出に残るシーンはどこだったのか。料理でもいいし、鳥でもいいし、景色でもいい。この映画を観て、虫の声だけが残ったという感想があるなら、それはそれで素晴らしいことだと思うし、何かを押し付けたくないんです。

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