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池田エライザ、苦しんだ世間とのズレ「初監督は正々堂々。自分のやりたいことを」

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人を動かすには原動力が必要

夏、至るころ

――当然、監督は、現場で大黒柱として立ちます。今回、スタッフさんへの声かけもしたとのことですが、皆さんおそらく年上かと。その中でリーダーとして仕事を回していく際に、気を付けたことは?

池田:自分の信念は常に答えられるようにすることです。そこは作品に臨むにあたって、きっちり持っていました。人にお願いごとをしたいなら、それがどう作用して、どうなっていくのかまで、ちゃんと説明付けできる必要がある。

 現場の総指揮ですから当然、自分が判断をする毎日が続いていきました。その際、「なぜ?」と言われたときに、「こうだから」と言える、芯になるものを持ち続けることは大切にしていました。人を動かすには原動力が必要だし、芸能人の池田エライザではなく、監督として立っているので。

パブリックイメージと自分自身がズレている感じ

――池田さん個人として、得るものは大きかったですか?

池田:「楽しい、生きてる!」と心から思えました。なんだろう、いわゆるパブリックイメージと自分自身がズレている感じが、なんとなくずっとあるんです。「そんな人じゃありません」と言い続けなきゃいけないのかなと、自分を苦しめちゃうこともあって。

 でも、監督として現場に立つことは、プレッシャーが正しく作用している感覚でした。正々堂々と自分のやりたいことを果たせるというか、自分の見え方を気にしている暇もないし。それがすごく嬉しかったし、楽しかったですね。

――また監督をやりたいですか?

池田:やりたいです! 私でよければぜひ! 意外と私は、要望にお応えするタイプの監督なんですよ。もちろん自分のアイデアも出しますが、ちゃんと要望にお応えします(笑)。今回は、とにかくみなさんのための映画を作りました。映画の余韻を、自分のための時間として使っていただけたら嬉しいです。

<取材・文・撮影/望月ふみ>

ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異
Twitter:@mochi_fumi

【公開情報】
映画『夏、至るころ』は現在公開中
(C) 2020「夏、至るころ」製作委員会

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