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正社員なのに手取り12万円…28歳が見た「映画業界のツラすぎる現実」

学び

 現在はコロナ禍で厳しい状況にあるとはいえ、映画の仕事に憧れる人は今も昔も少なくありません。今回お話を聞いた方も苦労して映画業界に入りましたが、その内実を知って失望することになったそうです。

映画撮影

画像はイメージです(以下同じ)

 

証券会社に入社しても諦めきれず…

 証券会社から映画の製作会社に転職した角野智也さん(仮名・28歳)にとって、映画業界で働く日々は驚くことだらけだったと言います。

「お金と関係の深い業界にいたことも関係しているんだと思いますが、映画業界のビジネスがどんな風に回っているのかを理解して、いろいろなものが崩れ去りましたね」

 角野さんは証券会社で、同期の中でも優れた成果をあげていましたが、どうしても夢が捨てきれず転職を決意したそうです。

「昔から映画が好きで、新卒の就職活動の時に映画会社も受けたんですが、その時は全敗でした。それで区切りをつけたつもりだったんですが、ずっとモヤモヤした未練が残っていたので、映画ビジネスを学べる学校に通うことにしたんです」

優秀な人間だけを社員登用するシステム

残業

 それでも映画業界に入り込むのは大変だったと言います。

「学校が就職先を紹介してくれましたが、正社員となると募集自体が少ないんです。バイトだと募集は結構あったので、どんな形でもいいから入り込もうと思って泥臭く探し続けました。あるのは短期のものばかりでしたが、ようやく長期のバイトで入ることができたんです」

 しかも、その会社は、社員登用も望める会社でした。

「変わった社員の採用方法をとっている会社で、一度に何人かアルバイトを取って、その中から優秀な人間を社員登用するという制度でした。なので、同じタイミングでバイトとして入った人間は仲間でありながらもライバルみたいな不思議な関係でした

 そこであらゆる雑用をやることになったそうです。

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