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正社員なのに手取り12万円…28歳が見た「映画業界のツラすぎる現実」

学び

地味な仕事ばかりで心が折れそうに

残業

「企画書作りの手伝いから、制作現場での下働き、社外のプロデューサーのご機嫌取りで宴席で一発芸をさせられたこともありました。基本的には、試写会の案内の送付作業など地味な仕事ばかりで心が折れそうでしたが、それでもなんとか食らいつきました」

 そうして頑張れたのも、励みにするものがあったからだと言います。

社員の人たちがカッコ良かったんです。映画業界の第一線で働いているということもそうですが、社長が身だしなみにうるさいこともあって、みんなお洒落でした。自分もあんな風になりたいと思いました」

 必死に働きぶりをアピールした角野さんは、社長から嬉しい一言を告げられます。

社員登用で提示された給与は、手取り12万円

「『社員にならないか?』と言われたんです。ですが、提示された条件に驚きました。手取り12万円だったんです。バイトにフルで入った時と1万円ぐらいしか変わらない額です

 それでも社長から「がんばれば給料は上がるから」と言われた角野さんは、社員になる道を選びます。ついに念願だった映画会社の社員になった角野さんでしたが、やはりお金の問題で苦労することに……。

「可能な限り食事は自炊していましたが、それでも生活は厳しかったですね。撮影現場に行った時の交通費が出なかったり、立て替えた費用は申請してもなかなか振り込まれなかったりしたこともあって、貯金を食いつぶす日々でした。出社時間は遅かったですが、深夜まで働くことも多かったので、こっそりバイトすることもできませんでした」

 それでも、早く先輩たちのようになりたいと努力を重ねた角野さんでしたが……。

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