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「千鳥さんに笑ってもらいたかった」東京ホテイソン、スタイル確立の背景

暮らし

『英語』と『回文』のネタでスランプを脱した

東京ホテイソン

――今はさらにツッコミを進化させてますよね。少し前なら『回文』のネタ、最近では将棋の駒『金(きん)』をモチーフにネタを披露したりしています。語感やリズムの面白さに焦点を当てたのは、なにかきっかけがあるんですか?

ショーゴ:最初気付かなかったんですけど、『英語』ってネタの中に「ハハハ コレコレ ハコレコレ」(「ハ」は音としては「ワ」)っていうフレーズがあって、たけるが早口言葉の「カエルぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ」と同じだって言ったんだっけ?

たける:いや、オレがTwitterでエゴサしてたら、ファンの人か誰かが「これって“カエルぴょこぴょこ”じゃん」みたいなこと書いてたんだよ。ただ、そもそも音のほうに行こうって意識はなかったよね。

ショーゴ:なかった。でもそれを聞いて、「だからウケるんだ」って思ったんですよ。一回聞いたことあるリズムだから。『回文』のネタでやってる「ヨタイタタ ントフルテシホ トンパンパ」ってフレーズも、よく考えたら「五七五」っぽい。偶然ですけど、結果的に「七五調」とか「早口言葉」とかの気持ちよさが入っていて、気付いたら「語感」「リズム」のほうに行っていたっていう感じですね。

ライブのウケは「ゼロか100」

――今後は、そこを掘り下げてネタをつくっていく感じですか?

ショーゴ:僕らのネタってつくろうと思ってもできないんですよ。ライブのウケも、いまだにゼロか100。ダメな時は1ミリもウケない。オレがネタ書いてるんですけど、本当に降ってくるまで待つというか。ネタ合わせで3時間無言ってこともあります。たけるにいてもらって、オレがずっと腕組んでる状態で。

たける:その間、オレはずっとショーゴのニキビを見てる(笑)。「なに考えてんだろうな」って思いつつ、ひたすらずっと。

ショーゴ:頭の中で「どーもー」って舞台に出るところから毎回イメージしてつくってるんです。それを3時間やって出なかったら「帰りましょう」ってなるし、出たらやってみようってなるし。2019年は、メンタル的に弱っていて10か月間ネタできなかったんですよ。たけると8時間とか一緒にいるのにずっと無言。

『英語』と『回文』は、ある日同時に降ってきたんです。そこから、「あ、いけるかもしれない」ってようやく進み始めたっていう。今年のM-1の2回戦は、リズムネタじゃないものをやりました。そこは変にこだわったりしないで、広がりを見せていけたらいいなと思ってますね。

⇒インタビュー後編<東京ホテイソンが語る、霜降り明星と第七世代「オレらが入っても無理ですよ、勝てない」>に続く。

<取材・文/鈴木旭 撮影/スギゾー>

【東京ホテイソン】 
1995年岡山県出身の「たける」と、1994年東京都出身の「ショーゴ」の2人からなるお笑いコンビ。たけるが放つ備中神楽をイメージした独特なツッコミが人気
■Tiwtter(たける):@takeyanbka
■Youtube「東京ホテイソンオフィシャルチャンネル

フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中

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