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キャンプブームで山林を買う人が増加。思わぬ落とし穴に注意

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 ウィズコロナ時代に密を避けられるレジャーとして人気を集めているキャンプ。キャンプ好き芸人として知られるヒロシやバイきんぐ西村は、アウトドア趣味が高じて山林を所有しており、最近はYouTuberや一般の人にも山林を取得する動きが広まっています。

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※イメージです(以下同じ)

 しかし、安易に山林を購入すると思わぬ苦労が待っているようです。「全宅ツイ 業界ウラ話」を連載中の不動産団体「全国宅地建物取引ツイッタラー協会」(全宅ツイ)に話を聞きました。

草木が生い茂る「山林の土地」を買ったら

 キャンプが趣味の峰不二夫@ebimank)さんは「仕事で山林の査定をする機会がある」と語ります。

「遺産分割協議で相続された方から『不要な山林を売却したい』という相談が会社に持ち込まれます。それを私が査定することになるのですが、“地目:山林”の土地は多くは傾斜地で、長年、人の手が入らず草木が生い茂っている状態です。プライベートキャンプ場を持ちたいと考える人は、山林を買った後キャンプができるように開墾する手間があって、それを楽しいと思えないと厳しいですね。私も顧客サービスの一環で管理地の草むしりを請け負いますが、正直キツイ重労働です。山を買っても週末が伐採と草刈りだけで終わったら、全然楽しくないのでは」

 さらに、傾斜地の開墾は素人が考える以上に大変だと付け加えます。

「不動産サイトを眺めていると100万円以下の山林は結構出てきますが、開発をするのに樹木の伐根、切土、盛土が必要になります。逆に言えば、業者がお金をかけてまで開発したいとは思えない土地が売りに出てるわけです。もちろん、キャンプ目的の個人は山をすべて開発するつもりはないでしょうが、物件によっては入り口からすでに傾斜しており、車が入れないような土地もあります。

 キャンプ場に泊まると、田舎の6m×6mの小さな土地に1日5000円も払うのかよと思うかもしれませんが、キャンプサイト(テントを張るところ)は綺麗な平坦地で、そこには人の手が入っています。お金をかけて整備されてるからこそ、快適なキャンプが楽しめるのです」

軽い気持ちで山林を買ってはいけない

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 また、軽い気持ちで山林の所有者になる人は、管理義務を軽視しているのではと指摘します。

「近年、勢力の強い台風が訪れ、各地に大きな爪痕を残しています。仮に土砂災害警戒区域の土地を購入して自分の山で土砂崩れが起きたら、道路をふさいだり、他人の家を壊した責任は、土地の所有者が問われます。土砂災害警戒区域はリスクの高い土地なので、地元の不動産業者の間では売ってほしいと頼まれても怖くて媒介すら受けない扱いで、売るに売れない土地の代表格。安いという理由だけでの購入はおすすめできません」

 購入した山林は売却等による出口が期待できないことから「将来年をとって、キャンプをする元気がなくなった時、売ろうとしても売れないリスクが高い」と峰さんは警鐘を鳴らします。

「仕事で山林の査定をしていると言いましたが、事例だけを見た簡易査定ではなくて、役場、業者、ハザードマップ、開発した場合の費用、など鑑みてガッチガチの査定を行った結果、査定価格が0円になることは珍しくありません。太陽光発電用地にもならない中途半端な広さの山林はそれだけ需要がない=買い手不在なのです」

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