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キャンプブームで山林を買う人が増加。思わぬ落とし穴に注意

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山林は「ライフライン」で見極める

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 一般人が購入するにはデメリットが目立つ山林ですが、「なかには検討に値する山林もある」と、峰さんは口にします。

「ヒロシのキャンプ動画は私も好きでよく見ていますが、彼が取得した土地には川が流れていて、川の水でウィスキーを割って楽しんだりしています。もちろん生水だと不純物や寄生虫が混ざってる可能性があるので、しっかり濾過や煮沸しているでしょうけど、いずれにせよ、キャンプをするには水がめちゃくちゃ重要となります。

 アウトドアでは怪我をした、転んだ、服が汚れたといったアクシデントで想定外に水が必要になる場面があるので、飲料水だけでは心もとない。そういった意味で水源がない土地を購入するのは結構リスキーです。もちろん大型のウォータージャグを車に積んでキャンプに行けば良いのですが、重いし、かさばるしで、なかなか大変ですよね」

 インフラを重要視する峰さんが注目しているのが、別荘地内の山林です。

「物件情報を見ていると、“〇〇別荘地内”と書かれた土地も売りに出ています。年間土地管理料がかかりますが、別荘地なら電気水道のインフラが通っているし、別荘地内に集中浄化槽があるのでトイレ事情も心配ありません。本来は別荘を建てて使用するのが正しいですが、簡易的な小屋を建てて、残りをキャンプサイトとして使用するのは面白いと思います。ただし、自分の土地とはいえ周辺に住んでいる人がいることを忘れずに。たまにしか利用しない土地での焚き火は周辺住民から不審火、山火事と誤解される可能性があるため、あらかじめ通知しておくなどの配慮も必要です」

お手頃価格50万円の山林、見送った理由は

 プライベートキャンプ場のハードルの高さを指摘した峰さんですが、自身も最近山林の取得を検討していたのだとか。

「コロナ自粛が始まった頃、友人と山林の取得を考えました。場所は静岡県伊東市で、広さが700平米、価格は50万円という物件でした。諸費用を考慮しても1人頭30万円程度で自由にできる山が買える! 買うしかない!と盛り上がったのもつかの間、調べていくとなかなかに困難極める案件で撤退しました」

 土地も広くて価格も50万円と、なかなかの好条件に見えますが断念した理由とは?

「役所調査をしたら、担当者が『地図で確認できる場所に行く道があるかわからないです。一応申請をいただければ役所の人間が現地まで脚を運んで調べますが、正直我々がたどり着けるかもわからないエリアです』と言われて、意気消沈しました。それと私が重視する水源も近くにないし、土砂災害特別警戒区域に指定されているしで、単に不便でリスクのある土地だから安かっただけでした」

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