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ヨソ者NGの飲食店に、客が「ネットに晒す」と大モメした結果

暮らし

他の客が「ネットに晒す」と息巻くが…

 すると、店員と話をしていた人物と別の男性グループのメンバーが、お店の入口に貼ってあった「地元客以外入店お断り」の貼り紙を撮影。そのうえで「アンタの態度のこと含めて、この店のことを実名でネット上に晒してやる」と宣言したのです。

「法律のことは全然詳しくないですが、本当に実名で誹謗中傷の書き込みをしたら、事実だったとしても営業妨害になるじゃないですか。さすがにそれはマズいだろうとは思いましたし、お店の人にそんなことを言うなんて脅しですよね。

 ここで警察を呼ばれて巻き込まれても面倒ですし、隣にいた彼女が『もう行こう』と言ったので僕らは駐車場に向かったんです。けど、彼らもすぐ後に店を出てきて、ネットにアップとかアレはマズいだろうって話していましたが、『そんなことするわけねーだろ。ムカついたから言っただけで、勝手にビビっていればいいんだよ』って。

 すると、いきなり僕らのほうを見て、『兄ちゃんもそう思うだろ!』って話を振られたので、咄嗟にうなずいちゃいましたけどね(笑)」

コロナのせいでギスギスしていた

田舎道

 なお、再び車を走らせて食事のできる店がないか探したところ、数キロ先にあった道の駅で無事食事を取ることができたそうです。

「田舎にとって数キロって近所みたいなものですし、道の駅で食事できるならそのことを言ってくれればよかったのにとは思いましたね。仮に知らなかったとしても、断るなら、そのあたりの情報を調べて教えてくれてもいいじゃないですか。

 立地的に観光客やドライブ中の人が立ち寄るような店だったし、文句を言った男性客たちではないですがほかの飲食店情報を教えてくれなかったことは僕も不親切とは思いました。まあ、そう考えてしまう時点で自分もコロナのせいでギスギスしてるのかなって後になって反省しましたけどね(苦笑)」

 田舎の飲食店でコロナ感染者を出したらそれこそ死活問題。営業を続けていくのは難しいでしょう。

 現在では再び観光客が増え、地元客以外入店お断りの貼り紙を出す飲食店も減っているようですが、不特定多数の客が出入りすることで感染リスクは高くなっているともいえます。そういう意味では店側も厳しい判断を迫られているのかもしれません。

<取材・文/トシタカマサ イラスト/田山佳澄>

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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