学費70万が水の泡に…「プログラミングスクール」の現実をキャリアのプロが明かす
デメリット2:紹介される企業の質が読めない
こちらも過去に私が転職サポートした人のケースになるのですが、この方はプログラミングスクールに半年間通って、約70万円ほど払ったそうです。
カリキュラム受講後に転職サポートを受けることになるのですが、スクール側が提示してきたのは、いわゆる「客先常駐型」のエンジニア求人だったようです。他にもプログラミングスクールの卒業生で、私が転職を担当した6人ほどが、同じように客先常駐型を勧められるか、自分で探すかの2択だったようです。
もちろん、全ての常駐型の企業が悪い――なんてことはないのですが、世論的には常駐型が下で自社開発が上というような考えがあると思います。そのため、スクールに通う人の多くが常駐型の企業に行きたくないから大金を払ってでも通うといっても過言ではないと思います。
しかし、実態としては今の市場感によってスクール側も求人の確保に苦戦をしており、某スクールのHPを覗いてみるとがっつりSES(客先常駐型)企業の求人募集が書かれていたりします。自社開発と常駐型を比較すると、後者のほうが未経験対応の求人が多く、スクールに行かなくても独習くらいのスキルで入れる企業が多いです。つまり、人によっては”スクールに通わなくても入れるような企業”を紹介されるケースがあるということです。
転職市場の変化が紹介求人に影響
なぜ、スクールの紹介求人に常駐型の企業が増えたかと言うと、転職市場の変化による影響が大きいです。転職する時は当然ながら「自分の希望する企業」と「採用企業の希望する人物」が一致した時に内定が出ます。
私の勤める転職エージェントでも開発系のエンジニア求人は一時期9割ほど減りました。現在は求人数も戻りつつありますが、採用要件は以前と比べるとかなり上がりました。未経験歓迎という文字は消えて「実務経験1年ほど」「社会人経験2年以上」など完全未経験で応募するにはかなりハードルが上がりました。
プログラミングスクールでは学習経験は積めても、実務ではありません。そのため、高額な費用を払って勉強したのにも関わらず書類選考すら通過できないという人が増えています。どんなに高度な学習をしても採用要件を満たさないと転職はできないので今の市場感というのをしっかりとリサーチしておく必要があります。