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東京→北海道旅行で感じた「Go Toトラベル」支援策の難しさ/常見陽平

ビジネス

ニュースで見かけるような混乱はなかった

常見さん

北海道で娘と撮った1枚

 北海道では観光地も巡ったが、さまざまな場所がインバウンド需要に応えようとしているのを痛感した。宿泊施設も内部のつくりやプランが海外からの観光客向けに作られているのを感じ取れたが、筆者の利用した施設も外国人のスタッフが多く、細かな内装まで富裕層向けに作られている印象を受けた。

 さらに、新千歳空港からは筆者の出身地である札幌を通り、温泉地でもある道央の定山渓(じょうざんけい)を経てニセコへ向かったのだが、定山渓にはかつて庶民的な温泉街のようなイメージを抱いていたものの、高級感のある宿泊施設や敷地内にワンランク上の離れを作るなど海外から来る大量の観光客に向けた工夫を施していた。

 また、筆者のような旅行客側も現地の人たちも新型コロナウイルス感染症のリスクを考えていたし、少なくとも現地で「お前ら、東京から来たのか」という目を感じた瞬間はなかった。友人の会社にも訪れたが、嫌がられることなくむしろ大歓迎で、巷でいわれているような「自粛警察」に怯えるようなこともなかった

 結果として、Go Toトラベル自体は現状「何度使っても良いので上手く使えばよいのではないか」というのが筆者の感想。地域共通クーポンも宿泊施設内で利用したところ気軽に使えたし、ニュースで見かけるような混乱もなかった。

続々と新しい「Go To」が始動

 さて、政府による「Go To キャンペーン」は、Go Toトラベルに限らない。10月1日に解禁された「Go Toイート」はより身近な場面に使える施策で、特定の飲食予約サイトを経由して店舗を利用した対象者にポイントが還元されるほか、登録点で使える特典付きのプレミアム付食事券も付いてくる。

 実際、北海道でも、Go Toイートの看板をよくみかけた。コロナ禍では「三密」を避けるために会食を避けていた人たちも多くいただろうが、実際に足を運んでみれば楽しいと思えるはず。一方で、飲食店側のオペレーションが煩雑かどうかなど、今後の動向も注目してみたい。

 また、旅行や飲食に続いて「Go Toイベント」や「Go To商店街」も控えている。それぞれの取り組みについては、どこからどこへお金が流れるのか、果たしてどれぐらいの人たちが使うのかどうかも気になるが、それぞれが「とにかく動き出すための第一歩」として、どれほど効果があるのかも非常に気になる

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