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パワハラ上司に内容証明を送った結果…うつ病で休職した20代社員のリベンジ

コラム

内容証明を送ったら…あっけない終わり

 内容証明を送って数日後、Hさんの勤める弁護士事務所に青柳さんの会社の担当者から連絡が入りました。会社はパワハラについて大ごとにしたくないという理由から、和解を求め、損害額を支払うと申し出てきたのです。

「会社が素直にパワハラを認めて、しかも100万円という額を出してきたのには驚きました。その後は全て弁護士事務所の方に任せ、僕は会社の誰とも顔を合わせることなく、損害額を受け取ることができたんです」

 あまりにもあっけない終わりに戸惑った青柳さん。その後、会社都合として仕事をやめることもでき、退職金も受け取ることができたそう。しかし、お金を受け取っても、気持ちが晴れることはありませんでした。

「弁護士費用も『友達だから』と、かなり安くしてくれて、Hくんも僕の体調を気遣って頻繁に連絡をくれて。でも、今までの3年間は何だったんだろうと、ふとした瞬間に考えてしまうんです。お金は得られても、社会人としての経験や楽しみを奪われてしまった。悲しみや怒りが湧いてきてしまったんです」

立ち直った今。再就職の日々…

 それからしばらくうつの治療を続け、青柳さんの体調は回復し始めました。はじめの頃はLINEの通知が来るたびにビクビクし、外に出歩くこともままならなかった青柳さんですが、今ではHさんや他の友人と外で会えるくらいまでになりました。

「薬やカウンセリングでの治療はもちろん効果があったと思うんですが、僕がやめた後、同期の女性から連絡があって、Fさんが他の社員にも訴えられてクビになったと聞いたんです。再就職もままならないようで……なんだか安心したんです。それから少し気持ちが軽くなった気がします」

ハラスメント

 そして治療を続けながら、就職活動をスタートさせた青柳さん。人間関係の良好な会社で働けるよう、焦らずじっくりと会社を選んでいるということでした。

「まだ無理をしないようにと、お医者さんからは言われているんですけど、20代をあんな上司のせいで棒に振りたくないですからね。職場が苦しくてツラい場所だっていう記憶を消してくれるような会社を見つけたいなと思っています」

<TEXT/つる>

食べること、お酒、音楽、辛いものが大好き。30代になっても派手髪から抜け出せません。外に出るのはお酒が待っている時だけという姿勢を崩さず、今日も適当に生きています

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