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「日本の事故物件」に外国人労働者が関心を寄せる意外なワケ

ビジネス

外国人とオーナー両方の意見が分かる

成仏不動産

NIKKEI MARKSスタッフの金周瑢さん

――ここまでいろいろとお話を聞きましたが、やっぱり一般の感覚からすると事故物件に住むのは抵抗感があります。外国人にとって事故物件の魅力とは?

金:入居のしやすさはもちろん、最大の理由は日本のお客様と同じく「価格」です。家賃が通常の1~5割安くなる事故物件は外国人労働者の生活向上にも役立つと考えています。

 例えば、最近では千葉県の一戸建て(3階)の賃貸物件が家族連れの外国人労働者に5万2000円で契約されました。通常は8万円以上の物件なので、子連れの家族にとっては日本での生活をより快適に過ごす助けになったと思っています。

――事故物件と外国人をマッチングする役割として重要なことは?

顧:私たちは外国人であると同時に、事故物件専門サイトのスタッフでもあります。外国人とオーナーさんの両方の立場が分かるので、それぞれの文化的な意識の違いや条件などを上手に調整することが求められます。審査や保証などの問題を含めて、それぞれの課題を理解し、解決していきたいですね。

 私も事故物件に関心を持ったのは、来日してからなので多くの外国人労働者が「事故物件」を意識した際に、正しい知識を提供したり、困っていたりするオーナーさんにつなげられる手助けになれたらと考えています。

⇛インタビュー後編<日本初の「事故物件マッチング」スタッフに聞く、孤独死現場のリアル>に続く

<取材・文・撮影/藤冨啓之>

WEBコンテンツ制作会社「もっとグッド」代表取締役。ライター集団「ライティングパートナーズ」の主宰も務める。オウンドメディアのコンサルティングのほか、ビジネス・社会分野のライターとしても活動

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