暑い夏を乗り切る「クールハック」術。マンダム研究員に聞く
人はどうやって「涼しい」と感じるの?
とにかく暑い夏は、ムダなく効果的に涼しくなりたいもの。
マンダムの調査(※)では、夏の蒸し暑さを体感した約6割が「ストレスを感じる」と答え、「仕事や勉強に集中できない」も約3人に1人います。快適な涼しさを得た状況では、約6割が「リラックスできる」と感じ、約3人に1人が「仕事や勉強に集中できる」と回答しています。
高石さんは、人が温度を感じるのは「TRP(トリップ)チャネル」という細胞の感覚センサーが関係しているためといいます。
「温度センサーとして働くTRPチャネルはいくつもの種類があり、さまざまな温度に対応しています。そのなかのTRPM8は約26℃以下で活性化する冷感センサーで、このセンサーのスイッチが入ると、“涼しい”や“冷たい”と感じられるのです」
冷感センサーのスイッチを入れる方法
では、どうすれば冷感センサーのスイッチを入れられるのでしょうか? それには「肌の温度を下げる」「清涼成分など、特定の科学物質でセンサーを刺激する」という2つの方法があるそう。
「肌の温度を下げるためには、2つの物質間で熱を移動させる〈熱交換〉と水分の蒸発で熱を奪う〈気化熱〉の仕組みを利用します。難しく聞こえますが、水や氷など冷たいものを肌にあてて熱を冷ましたり、風をあてて肌の上にある汗を蒸発させたりすればいいだけのことです。
また、清涼感を得るための冷感センサーの刺激には、スーっとした爽快感がある成分を活用します。冷感センサーTRPM8はハッカ・ミントなどの主成分であるメントールにも反応するため、メントールを配合した製品を上手に使えば、実際の温度が下がっていなくても涼しさを感じることができるというわけです」
さらに、この2つの方法は組み合わせると清涼感がアップすることもわかっています。
「クール系アイテムでメントールの刺激を与えたうえで、風にあたって肌の温度を下げると、“冷たい”という感覚はさらに増します。ぜひ、試してみてください」