30歳になる前に…上司に「見込みあるな」と思わせる働き方のコツ
「仕事」への転換が求められる30代
そういう20代を経て、30代に突入すると、中堅・ベテランとして扱われるようになり、周囲の見方や期待も変わってきます。また同期の間で明確な差が出てくる中で次のようなポイントがキャリアを進める上で重要になってきます。
① 組織まで視野を広げる
「年功序列」という言葉は、時代遅れの人事管理のような印象がありますが、「年」は年齢に伴う経験値を示しており、「功」は「功績」を意味します。つまり経験を積んで成果を出してきた人の序列を意味しますので、新卒一括採用の企業ではいまでも人事管理の基本なのです。ひたすら自分の実力アップのために研鑽してきた20代を経て、30代に突入すると会社の期待も大きくなり「私事」から「仕事(組織に仕える)」への転換が求められます。
② 自分の意志を持つ
20代のうちは、上司から指示されたことをきちんとこなしていれば標準的な評価がもらえましたが、30代になると自分の意志を持つ必要があります。引き受けた仕事の目的や意図、自分に依頼された背景などを考察し、自分ならどういう方法で取り組むか、何をゴールとするか、組織に慣れ馴染むレベルから個性を出していくことが求められます。
③ 自分の名前(責任)で仕事をする
仕事の最終責任は組織を統括する管理職ですが、30代になると実務の責任が問われる存在となります。これまでは顧客から「あなたの所属している会社は信頼できるから購入しよう」でしたが、「信頼できるあなたから買おう」という存在になると言えます。
④ 中核人財となる一方で変化する生活
同期で差がつく30代は、管理職候補者(経営幹部候補者)としてリストアップされ、経営陣に名前を覚えられる存在になり、転居を伴う人事異動が企画される頃でもあります。また、日本の平均初婚年齢は30歳前後で、晩婚化、非婚化が進んでいるようですが、結婚して、子供が生まれ、更に住宅ローンを抱えるなどプライベートにおいても大きな変化があるのが30代でしょう。
30代の入り口で考えたいこと
終身雇用という雇用慣行に否定的な見解を出している財界ですが、新入社員も「定年まで働きたい」と答えるのは2割程度にとどまり、転職を検討するのが当たり前の時代となりました(株式会社マイナビ「2019年新入社員1カ月後の意識調査」、男女800名、22~23歳)。
ですが、マスコミや人材紹介会社に煽られて、自身のキャリアを見失ってはいけません。「組織の中では、ある程度認められていると思うし、後輩も入ってきて教える立場になったが、何か停滞感がある。もっと自分に合う仕事(会社)があるのではないか?」
こういう考えが頭をよぎることもあると思いますが、外に目を向ける前にまず考えていただきたいのは「自らの仕事に意味を見出す」ことです。