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経営者とうまく付き合う方法。花王がモデルの実名小説にヒントが

ビジネス

 文学なんて時間の無駄、文学なんて読んでも儲からない、そんな時間があるならビジネス書を読む……。そんな感覚を持つビジネスパーソンは多いかもしれない。しかしそのような考えは、経営戦略の基本から考えても大きな間違いである。

本

※画像はイメージです(以下同じ)

 多くの「デキる」ビジネスパーソンは経済紙、ビジネス雑誌、ビジネス書、ときに経営学書・経済学書・技術書などを読む。ライバルに後れをとらないためにもそうした読書は必要である。

 しかし、他のビジネスパーソンと「差」をつけるには、他者と同じ情報を得ていてはダメである。経営戦略論の大家ポーターも指摘するように「Strategy is being different」だ。ビジネスパーソンがあまり読んでいないからこそ、いま文学を読むことは他者と違った価値(=差別化)につながる。

 ただしそこには「読み方」がある。そこでこの「文学で“読む”経済」では、文学から社会と経済を読みとり、ビジネスに活かすという体験を、読者と共有することを目指す。

城山三郎『男たちの経営』とカリスマ経営者

 昨日までの話と今日の話が違う、いつのまにかどこからか顧問やら役員やらがわいてきていつのまにか消えている、突然怒号が飛ぶ、突如として宗教的儀式が始まる……。カリスマといわれる経営者にありがちな特性だ。ベンチャー企業であれ、NPOであれ、大企業であれ、「カリスマ経営者」の下で働くという人にとって「あるある」ネタではないだろうか。

 いやあウチはサラリーマン社長ですから、という人も実はこの記事と無関係ではない。

 すべてのビジネスパーソンにとって、たとえカリスマ経営者が上司でなくとも、そうした人が顧客になったり、外部業者になったりということはありうるからだ。それどころか、カリスマ経営者と付き合えるかどうかによって、ビジネスパーソンの「競争力」は大きく左右される

 カリスマは意思決定が早いし大胆である。営業先であれば数億円・数十億円単位の注文を会議もせずに決めたり、提携先であれば新しいイノベーションにも乗り気になって社内を動かしたりしてくれるのはいつもカリスマ経営者である。だからこそ、カリスマ経営者と付き合えるかどうかによって、大きな仕事ができるかどうかが決まってくる。

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