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新しい地図を起用したアンファーのCM戦略「SNSで予想外の反響も」

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 薬用シャンプー「スカルプD」や、ミノキシジルを配合した第1類医薬品の「スカルプD メディカルミノキ5」などを販売展開する、アンファー株式会社(アンファー)。

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アンファーブランド戦略部・三山孝仁部長

 薄毛に悩む男女をサポートする一方で、雨上がり決死隊、渡辺直美、リオネル・メッシ、「新しい地図」の稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾などを大胆に起用したインパクトあるテレビCMでも有名だ。

 特にジャニーズ事務所から独立まもない草彅剛、香取慎吾の2人を起用したテレビCM「ミノキ兄弟」(2018年~)は「59th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS ACC賞」を受賞するなど業界内からも高く評価されている。

 話題になった商品やサービスに隠された担当者の知られざる苦労に迫る本連載。今回はアンファーのCM制作の裏側について同社ブランド戦略部の三山孝仁部長に、「bizSPA!フレッシュ」編集長・詠シルバー祐真が話を聞いた。

草彅、香取の2人を起用した理由

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きれいなオフィスにウキウキの編集長

――発毛剤のCMに、アイドルである草彅剛さん、香取慎吾さんを起用するのは、いち視聴者としてかなり驚きました。

三山孝仁(以下、三山):発毛剤というと、どうしても50、60代のものというイメージが強い。スカルプD メディカルミノキ5では、スカルプDの強いブランド力を生かしつつ、薄毛に悩んでいない人、まだ薄毛が顕在化していない人にも知ってもらおうと思いました。

 テレビのみならずWEB上でも話題を広げていくパワーある方を探した結果、草彅剛さんと香取慎吾さんを起用させていただくこととなりました。お二人は新たな挑戦を繰り返し、どんな状況でも活躍できるということを証明し、多くの方々に勇気を与えています。このような活動から、今回の商品を広く伝えていただけると考えました。

――あのミノキ兄弟のビジュアルはインパクトがありました。が、お二人に頼むのはかなり勇気があったのでは?

三山:あの世界観やキャラクターはワトソン・クリック(広告会社)の山崎隆明さんというクリエイターの方と考えたものですが、最初は社内でも賛否が分かれました。「ターゲット選定に合っていない」「一体、誰が2人に頼みに行くんだ」と。

 ただ、見ていただければ分かるとおり、ミノキ兄弟は薄毛・抜け毛の悩みを象徴したキャラクターです。2人が助け合い、寄り添っている姿は、我々が薄毛の悩みを持つ人に寄り添い、解決していく併走者になりたいという想いを込めています。お二人にも、その点をしっかり説明して「なぜ薄毛のキャラクターになる必要があるのか」を納得いただいたうえで、ご快諾いただきました。

予想外だったSNSでの反響

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――放送してみての反響はいかがでしたか?

三山:予想外だったのはSNSを中心に話題を得たことです。発毛剤はコンプレックス商材なので、実際に使っていただいても感想をSNSに投稿しにくいものです。

 それが、今回はCMを見た奥様が「旦那に使ってもらおう」「旦那に使ってみたら毛が生えた」などと投稿してくれたんです。SNSを通じて、ユーザーの家族を巻き込んでいくことができ、薄毛の悩みをポジティブに語れる世の中を作れたのではないかと思います。

 こうした縁もあり、現在は女性向け「スカルプDボーテ」のCMで、「新しい地図」の稲垣吾郎さんにも出演していただけることになりました。

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