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16連勤、残業代ナシ…高卒33歳男性、飲食店勤務のブラックな現実

学び

 世の就活生や新社会人を震撼させる「ブラック企業」。その恐ろしい実態や労働環境がマスコミなどで取り上げられるたび、「絶対ブラックには就職したくない!」と及び腰になってしまいますが……。

イタリア料理 店員

飲食店勤務のブラックな実態とは… ※イメージです(以下同じ)

 高校を卒業し、アルバイトから正社員として採用されたというイタリア料理店勤務の寺島尚徳さん(仮名・33歳)は、「こんなブラックだとは思っていませんでした」と苦笑します。

「高卒」ということに負い目を感じ、妥協して就職先を選んでしまったという寺島さん。そこには、私たちの想像を絶するブラックな現実が待ち受けていました。

激務のストレスで倒れそうになる

「サービス業ということもあり、連勤や休日出勤は覚悟していました。そんな私でもストレスで倒れそうになりました」

 土日休みではないし、多少の連勤は仕方ない。ここで精一杯働こうと覚悟していた寺島さんですが、実際には社員のプライベートをないがしろにする上司に、理不尽な休日出勤ばかり。入社してしばらくはその覚悟が何度も崩れそうになったそうです。

「予定がある、と休日申請を出している日でも、上司から早朝に電話があり『バイトがバックれたから今から来れないか』と呼び出しを食らうことは日常茶飯事です。断ろうとすると『減給するぞ』と脅され、本当に社員のプライベートは尊重されていないなと感じます。

 結婚していて3歳の娘がいますが、なかなか休みが取れず、育児も妻任せになってしまっている部分があります。本当はもっと遊んであげられたらと思うのですが」

10連勤以上はザラ。休みは月に4日だけ

疲労 ビジネス

 マネージャーとなり、妻子を持った今でも10連勤以上は当たり前で、1か月の休みも4日間ほどしかありません。

 寺島さんの他にも家庭を持つ社員は多くいますが、「休日出勤の日数に変化は見られない」と言います。また、あまりの連勤の多さに精神的に追い詰められてしまう社員も多いそうで……。

「私の部下が全く休ませてもらえず、毎月16連勤させられていました。そんな彼が突然私を飲みに誘い、泣きそうな顔で心の内を吐露してくれたのですが、『本当に辛くて、精神的に疲れてしまいました。助けてください』と、そう告げられました。

 彼は結局退職の道を選びましたが、彼のように精神を病んで退職する社員は何人もいましたね」

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