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月70時間残業も…「固定給で残業し放題」クリエイティブ業界の闇

学び

 デザイナー。そう聞くとクリエイティブなイメージがありますが、かなり激務だという噂を耳にすることも。

デザイン事務所

デザイン事務所のブラックな実態とは… ※イメージです(以下同じ)

 職場の雰囲気が想像しづらいデザイナー職。その実情とはどのようなものなのでしょうか。実務経歴8年のベテランデザイナーに、リアルな職場環境を探ってみました。

月70時間残業も。給与は“サブスク制”

 デザイン事務所を2社をわたり歩き、現在も現役デザイナーとして広告やアイドル雑誌、パッケージなどのデザインを手掛ける紫月さん(仮名・29歳)。転職活動の結果、現在はホワイト企業に務めることが叶ったものの、前職ではかなりのブラック企業を経験したそうで……。

「前職はとにかく案件数が多すぎて、普通の労働時間じゃ捌ききれない量の仕事が毎日降ってきました。残業時間は平均で月60~70時間。精神的にも肉体的にもかなり追い込まれました」

 もはや「定時」という概念がなく、残業するのが当たり前。徹夜を強いられることも珍しくありませんでした。

「朝から出勤して、翌朝の7時まで残業したこともありました。当然残業代はありません。“労働のサブスク”こと裁量労働制だったので」

1年目から1日12時間労働で酷使

 社員のほぼ全員が残業する職場。仕事量のほかに上司などからの圧力はあったのでしょうか。

「上司どころかチームの全員が最低でも終電まで作業する環境だったので、何となく帰れない雰囲気は漂ってましたね。直接圧力をかけられることはなかったですが、帰りの支度をし始めると周囲からの視線を感じたり……」

 新卒採用も行っていたそうですが、1年目の社員も同じような働き方を強いられていたようです。

「新卒1年目の子は特に上司が帰るのを待ってましたね。朝早く来て、終電を逃して帰る。誰かが言ったわけではないのに、1年目の子はみんな12時間くらい働いてたんじゃないでしょうか。中には上司から大量に仕事を回されて、ずっと作業してる子もいました。心身ともに参ってしまい、来れなくなってしまう子もたくさんいましたね」

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