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同僚の前で「部下を叱ったら」パワハラ?最新ハラスメントの境界線

学び

■ 過大な要求
該当する主な事例:新人に、到底対応できない仕事を押しつける
該当しない主な事例:育成のため、現状よりも少しレベルの高い業務を任せる

■ 過小な要求
該当する主な事例:嫌がらせで仕事を与えない、誰でもできる業務をさせる
該当しない主な事例:労働者の能力に応じ、業務内容や量を軽減する

■ 個の侵害
該当する主な事例:性的指向、病歴などの個人情報を本人の了解を得ずに話す
該当しない主な事例:本人の了承を得て、個人情報を人事担当に伝え、配慮を促す
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 内閣官房の働き方改革実現会議の一員として活動するジャーナリストの白河桃子氏も「厚生労働省の指針をあてにせず、指針は各社がそれぞれに作るべき」と語る。

「福田財務事務次官がセクハラで辞任した2018年4月以降、日本でもハラスメントの認識が大きく変わりました。『ハラスメントをしても仕事ができる人』は、今の時代、『仕事はできてもハラスメントで会社にリスクをもたらす人』に。社員や会社を守るためにも、会社全体で『ハラスメントは許さない』という風土をつくるのが急務です」

部下を思っての言動がパワハラになることも

パワハラ

 パワハラが増加するなか、部下にパワハラと言われるのを恐れて、うまく指導できないと頭を抱えている人も少なくないだろう。

「パワハラの境界線で私が重要な観点だと思うのが、指導の中で真に相手を考えた言動がなされたと認められるかどうかです。たとえば、部下のミスを注意するにしても、成長を促すなら具体的な指導があるはず。それがないまま、長時間叱責したり、感情に任せて会社を辞めろ、バカヤロウと声を荒らげたりすれば、パワハラと言われても仕方ありません。もちろん、部下に手を上げたり、物を投げたりするのは論外です」(笹山氏)

 部下のためによかれと思った言動が、結果的にハラスメントにつながるケースも。30代男性の「上司がどんな本を読んでいるのか聞いてくる。読んでいないと不勉強だと言われ、上司に読んだ本を勧められる」という体験もそのひとつ。

「これはプライバシーへの介入で、部下が嫌そうにしているのに、数回続けるとパワハラになります。何度か勧めて部下の反応が悪ければ、やめたほうがいい」(笹山氏)

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