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日本の「スヌーピー人気」が再燃した理由。“女きょうだい”が決定づけた女性支持

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 20世紀のアメリカンポップカルチャーを代表する「PEANUTS(ピーナッツ)」。作者のチャールズ・M・シュルツ氏は、スヌーピーをはじめ、チャーリー・ブラウンやウッドストックなどの個性的なキャラクターを次々と生み出した。

ソニー

株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツ執行役員 PEANUTS推進本部の渡辺恵介氏

 2000年にシュルツ氏が亡くなるまでの50年間、「ピーナッツ」は新聞や雑誌に連載され続け、今でもスヌーピーは世界中の人々に愛されている。米カリフォルニア州にあるシュルツ美術館の世界で唯一のサテライト「スヌーピーミュージアム」が2016年4月、東京・六本木にオープンし、昨年12月には南町田グランベリーパークに移転した。

 ミュージアム運営に携わる株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツ(以下、SCP)執行役員 PEANUTS推進本部の渡辺恵介氏に、今後の展望について話を伺った。

スヌーピーの世界に浸れる空間に

スヌーピー

南町田グランベリーパーク駅構内にあるスヌーピーのスタチュー© Peanuts Worldwide LLC

 南町田グランベリーパーク駅を降りると、目の前にスヌーピーのスタチュー(彫像)が現れる。また、商業施設やミュージアム、公園などにも至るところに、スヌーピーが点在。

「六本木にミュージアムを構えていた時は、単独立地であったためスヌーピーに愛着を抱くファンの人が中心に訪れていました。今回、南町田グランベリーパーク内に移転したことでファンはもちろん、商業施設に訪れるファミリー層やカップルなど、あまりスヌーピーに馴染みのない人へも訴求できるようになりました」(渡辺氏、以下同)

 展示スペースが拡充したことで、様々な取り組みもしやすくなったという。

「六本木の施設は小規模だったこともあり、半年おきに展示品の原画を全て入れ替えていました。南町田に移転してからは広さが2倍となり、企画展のほかに2階と3階に常設展示を設け、作者であるシュルツの歴史やピーナッツに登場するキャラクターを紹介しています」

くつろげる居心地の良い空間が

スヌーピー

スヌーピーミュージアム館内の「ウッドストック・ルーム」

「以前のように、入場してから一通り回遊して退館するのではなく、ゆったりとくつろいで鑑賞してもらえるよう、『ピーナッツ』のコミックや絵本が読めるスペースやテラスも用意し、ピーナッツの世界観を存分に味わえるよう心がけました」

 筆者が実際に訪れた際、特に気になったのは「ウッドストック・ルーム」だ。

 スヌーピーの親友で、可愛らしい小鳥のキャラクターであるウッドストックをあしらった部屋は、壁一面が黄色で彩られている。ソファに腰かけて休憩したり、「ピーナッツ」のコミックや絵本を読んだりと、居心地の良い空間が広がっていた。

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