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Osaka Metro御堂筋線、終電延長の実証実験。午前2時運行の是非を占う

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御堂筋線での終電繰り下げの課題

 今後のダイヤ改正によって、御堂筋線の終電を繰り下げる可能性はある。さすがに2時間繰り下げはないと思うが、それに向けての課題を述べてみよう。

① 北急直通列車のさらなる充実

千里中央行き終電

千里中央行き終電は、最後部車両もヘッドライト(前照灯)を点灯する

 御堂筋線新大阪発の上り終電は、先述通り0時02分発の千里中央行きだ。1度東三国駅で見聞したところ、北急線内の運転間隔が開いた影響なのか、首都圏のラッシュなみに混み合っており、定刻より約5分遅れていた。

 北急は不動産事業を展開しているほか、沿線に千里ニュータウンを構えており、今回の終電2時間延長に取り組んでほしかったと思う。人手と車両のやりくりがつけば、千里中央行き終電の20~30分繰り下げや増発が可能だと思う。混雑緩和、利便性を向上させることで、“選ばれる沿線”にもつながってゆく。

② 終電のあとに発車する回送列車の営業列車化

御堂筋線

御堂筋線の下り終電は江坂始発。ただし、終電後に回送列車が走行するため、最後部車両のヘッドライトは点灯しない

 北急から江坂方面への終電は、千里中央23時48分発の江坂行きで、終点で御堂筋線なかもず行き終電(23時57分発)に接続する。両列車ともOsaka Metroの車両で運行されており、江坂で終電と回送列車が並ぶ。

 なかもず行き終電が発車した約15分後、回送列車が発車し、御堂筋線を走行する。それならば、「千里中央発、天王寺行き終電」として運行したほうがよいのではないだろうか。

御堂筋線での終電繰り下げの課題:その2

③ 2025年開催予定の万国博覧会でも終電2時間延長か?

中央線

中央線は、近畿日本鉄道けいはんな線との相互直通運転を実施

 2025年には大阪市の夢洲で万国博覧会が開催される予定だ。Osaka Metroは中央線コスモスクエア―夢洲(仮称)間の延伸計画を進めており、アクセス輸送を担う予定だ。

 現在、御堂筋線と中央線の一部の駅で改良工事が進められている。万国博覧会期間中は終電の繰り下げが考えられ、万全盤石の態勢を整えるだろう。

 日本における万国博覧会の開催は、1970年の千里丘陵が最初。当時、御堂筋線と北急がアクセス輸送のメインルートを担った。会期終盤の9月に入ると、万国博中央口駅(万国博終了後、予定通り廃止)では終電でも全員乗り切れず、急きょ臨時列車を設定したエピソードがある。

 このような混乱を避けるためには、会期中、御堂筋線と中央線で終電の延長が考えられる。すでにOsaka Metroは中央線新型車両の導入を明らかにしており、既存の20編成を大きく上回る30編成を投入するという。

10系第13編成

10系第13編成は、“大阪市営地下鉄最後の列車”に起用された

 今回の御堂筋線の終電2時間延長は課題もあるが、様々な可能性を秘めている。大阪の主要都市を縦断する強みを活かした、さらなるサービスの向上を期待するほか、交通系ICカードでもきっぷやエンジョイエコカード(1日乗車券)を買えるよう、券売機の改善も必要だ。JR西日本や関東地方などの券売機(JRはおもに近距離用)では、交通系ICカードでもきっぷが買えるのだから。

<取材・文・撮影/岸田法眼>

レイルウェイ・ライター。「Yahoo! セカンドライフ」の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、ムック『鉄道のテクノロジー』(三栄書房)『鉄道ファン』(交友社)や、ウェブサイト「WEBRONZA」(朝日新聞社)などに執筆。また、好角家の側面を持つ。著書に『波瀾万丈の車両』(アルファベータブックス刊)がある

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