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うどんチェーン「はなまる」。社名に込められた意外な意図とは?

ビジネス

 そして、この「共通定期券」というようなサービスが実現しているのは、はなまるが吉野家ホールディングスの傘下に入っている点が大きいのです。

子会社と関連会社はまったく別の意味!?

 先ほど触れた通り、はなまるはその経緯においても、関連会社→子会社→完全子会社と立ち位置を変えています。

 そこで今回は、はなまるが辿った①関連会社②子会社③完全子会社という言葉の意味。

 さらに加えて、同様の扱いで耳にすることが多い、④関係会社⑤グループ会社についても、それらの違いを改めて確認しておきたいと思います。

 まず、①関連会社についてですが、こちらは基本的に議決権(≒株式)を20~50%所有している会社がそれにあたります。

 次に、議決権が50%を超えている会社は、基本的に②子会社という区分になります。

 それぞれ“基本的に”というのは、20%以下でも経営に重要な影響力を持つ場合は、関連会社の扱いになる場合もありますし、50%には足りなくても実質的な支配力を持つ場合は、子会社の扱いになることもあるためです。しかし、まずは20%と、50%を基準に考えていて問題はありません。

企業買収時の本気度合いを推測する基準に

会社 海外

 そして、この2つからさらに株式のシェアを高め、株式を100%所有している会社が③完全子会社と呼ばれます。また、①関連会社と、②子会社を併せた区分が④関係会社になります。

 少し特殊なのが、⑤グループ会社で、これは①~④の規定と違い、会計ルール上の正式な区分ではありません。ただ、実際のビジネス用語としては、①関連会社、②子会社、③完全子会社をまとめた扱いで、頻繁に出てきますね。

 ざっくりでも良いので、これらの違いを理解していると、例えば大手企業がベンチャー企業を買収したり、出資したようなニュースを見かけた際に、本気で取り込みたいのか、まずは様子見なのか、様子見だけど競合他社にはとられたくないのか、といった推測に使えて、役立つこともありそうですね。

 はなまるの過去の業績や企業情報は「NOKIZAL」で確認できます。

<TEXT/平野健児>

新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの「Site Stock」や無料家計簿アプリ「ReceReco」他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業し「NOKIZAL」を運営中。Twitterは@tachiage

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