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初任給だけ見てない?知っておきたい「企業選びに欠かせない4つの視点」

学び

 企業によって基準が異なる初任給。であれば、そもそも会社選びでは何を見るべきなのでしょうか?

 松本さんによれば「新入社員の給与額の大小より、ちゃんと昇給していくかどうかが肝心」とのこと。そのための会社選びで大切な4つのポイントを挙げてもらいました。

ポイント1. 利益が出やすいビジネスモデルかどうか

企業 利益 成長

「1つめのポイントとして、そもそも業界として利益が出やすいビジネスモデルかどうかを見極める必要があります

 そう松本さんは語ります。どういうことでしょうか。

「たとえば、介護、アパレル、書店、飲食、システム開発など、いわゆるブラック企業が多いと言われる業界では、入社後の大幅な昇給は期待できなでしょう

 ビジネスモデルそのものが利益の出にくい仕組みなので、どんなに頑張っても配分するものがないと、お給料は上がりづらいということです。産業別の給料水準を知りたければ、厚生労働省の『賃金構造基本統計調査』で確認できます」

ポイント2. その事業が利益を生みやすいのか

 そして2つめに、「その会社が儲かっているかどうかを調べることも重要」だと松本さんは言います。

「コインパーキング会社はたくさんあっても、フィル・カンパニーのように駐車場の上に建物を建ててさらに家賃収入も得る、ということをしている会社は他にありません。ですから仕事の依頼が後を絶たないのでしょう」

 つまり、その事業が利益を生みやすいのかを見極めていくことが、たとえ初任給が低くても5年後、10年後にどう伸びていくかにつながるということです。

「その企業の営業利益を確認し、きちんと利益を出し続けているかどうかを調べることで、会社として給料を高く支払う能力があるかどうか見えてきます」

ポイント3. 入社後の昇給を知るにはモデル賃金を聞く

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 さらに3つめの大切なポイントとして、入社後の昇給を知るにはモデル賃金を聞くことだそうです。

「その企業の30~40代社員の平均年収を聞いてみましょう。そこから見えてくるのは、最初良くてもなかなか上がらないのか、最初悪くても頑張れば上がっていくのかです」

 この質問をするベストなタイミングとして、松本さんは「内々定が出たとき」と、アドバイスします。

「内々定のときに提示される労働条件の書類を確認する際、率直に『30歳だと年収いくらくらいですか?』『一番若い管理職の方は何歳ですか?』など、気になることを全て聞き出すのです。

 年功序列の会社なのか、実力主義の会社なのかなど、給与面以外にも自分にその会社が合っているかどうかがわかり、最終的にどの会社に決めるか判断する際の重要な要素になります」

 また、新卒入社時は気にならないので、抜けがちな賃金項目もあるとか。

「住宅手当、家族手当は出るのか。出てもいくらなのか。退職金年金制度も同様です。年収水準が業界水準でも、退職金の有無で勤続期間中の総報酬は大きく変わってきます

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