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PayPayが独走するスマホ決済。行動ログから未来を予測

コラム

ポイント還元店は東京一極集中

 キャッシュレス・ポイント還元事業者について、政府が設定した条件を満たすのは全国約200万店舗といわれますが、9月26日時点では50万店舗にとどまり、11月21日時点でも約77万店。2か月で1.5倍には増えましたが、申請条件がコロコロ変わったり書類不備で差し戻されたりと、順調には進んでいないようです(実際の決済利用は、肝心の中小店舗よりも、身銭を切ってキャッシュバック対応する大手コンビニが中心という指摘もあります)。

 地域差も大きく、11月21日時点で東京都だけは約12.5万店が対応していますが、最少の鳥取県は4195店。佐賀県、高知県、徳島県、島根県なども5000店舗に満たない状況です。

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【図表】加盟店登録数(「キャッシュレス・ポイント還元事業(キャッシュレス・消費者還元事業)」サイトより)

 12月1日には86万店舗達成見込みとのことですが、全体と比べるとまだまだ様子見のお店も少なくないようです。ちなみにPayPayの利用可能店舗は全国170万店超。キャッシュレス・ポイント還元事業対象外のお店も含まれるので単純比較はできませんが、その営業力をちょっと拝借というわけにはいかないのでしょうか。

検索サイト・アプリでテコ入れ

 利用推進のために政府が用意した対応店舗リストは、公開当初3600ページ以上に及ぶPDFのみ。データの重複も多く、「利用しづらい」と話題になりました。見かねた会計ソフトの「Zaim」が独自アプリを開発し、政府も事業サイトを改善、9月からはアプリも公開しています。

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対応店舗はアプリとキャッシュレス・ポイント還元事業のサイトで検索できる

 当初不備はあったものの逆に注目を集めたのか、キャッシュレス・ポイント還元対象検索サイトまたはアプリのいずれかを利用した10月のユーザーは700万人に迫る勢い。とくに40代170万人に次いで60代以上のユーザーが139万人も反応しています。10月のアプリ所持ユーザーは300万人を超え、公共機関の一般ユーザー向けサービスとしてはかなりのユーザー数を達成しました。

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【図表】キャッシュレス・ポイント還元対象店舗検索サイト/アプリのユーザー数(年代別)

 店舗検索サービスのユーザーが特徴的に多く使っているアプリは、上位10のうち6アプリがスマホ決済。親和性の高さが明確です。4位Tポイントや8位楽天ポイントクラブなどのポイントアプリ、6位ローソンや12位セブンイレブン、13位Coke ONなど、普段の買いものでおトクを求めるユーザー像が浮かびます。11位楽天市場、14位UNIQLOといったECも多く使われていました。

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【図表】店舗検索アプリユーザーの利用が特徴的に多いアプリ(2019年10月時点)※ブルーは決済、グリーンはポイント、黄色は小売、ピンクはEC

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