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「会議がBiweeklyで行われます」は、どのような意味か?

コラム

「会議がBiweekly(バイ・ウィークリー)で行われます」と耳にしたら、その会議は「週に2回」でしょうか? それとも「2週間に1回」でしょうか?

楽しむ英会話

 同じように、Bimonthly(バイ・マンスリー)だとどうでしょうか? やはり月に2回なのか、2カ月に1回なのか。実は正答がありません。どちらの意味でも使える表現です。どちらの意味でも使えるから便利と思いがちですが、曖昧さを残すので、不便さも大きいです。

第50回 Biweeklyの頻度

 例えば英語と日本語の通訳者を想像してみてください。英語で「We discussed this issue in one of our biweekly meetings.」と発言があったとします。そんな時に「この点はバイ・ウィークリーの会議ですでにお話をしました」と訳すことができます。

 通訳者としてもなるべくカタカナで訳出するのは避けたいですし、聞いている人もカタカナばかりだと聞きにくいでしょう。「ちゃんと日本語に訳してほしい」と思うかもしれません。しかし、そもそもその会議がどれだけの頻度で行われているかという事前情報を持たない外部の通訳者にとって、「バイ・ウィークリー」を日本語にすることはでき来ません。

「週に2回」と訳してしまって、実は「2週間に1回」の可能性もあります。その逆もあります。日本語にすると誤訳になる可能性がありますが、カタカナのままであれば、間違えることはありません。

 WeeklyやMonthlyのように1度だけの場合は非常に単純です。「週に1度」「月に1度」です。他にQuarterlyやAnnuallyなど、「4半期に1度」「年に1度」という単語も使われます。上記のように誤解を無可能性がある場合は、Twice a week(週に2回)やOnce every two weeks(2週間に1回)などど言うと良いでしょう。

Biannualはどういう意味か

カレンダー

※画像はイメージです

 BimonthlyやBiweeklyの複雑さは既出の通りですが、Biannualはどうでしょうか?

 実はBiannualは「1年に2回(=半年ごと)」の意味しかありません。「2年に1回」という意味はありません。「2年に1回」はBiennialという単語があります。実際に発音してみると、比較的似た発音ですし、そもそもあまり知られた単語ではありません。

「3年=Triennial」、「4年=Quadrennial」などと表現は続くのですが、一般的ではないですのであまり使う必要はないでしょう。これらの表現を使っても相手に伝わらなければコミュニケーションとして成立しませんから。

 ただ、この-ennialという語尾はPerennialという単語(年中続く・年中ずっと)で使われることがあります。ガーデニングを趣味としている人などには馴染みのある単語かもしれません。「多年草」という意味があります。

 また、Centennial「100年に1度」やBicentennial「200年に1度」、Semicentennial(50年に1度)などは色々な記念に使われます。Bicentennial celebrationなどは「創業200年目のお祝い」という風に使われます。

<TEXT/木内裕也>

会議通訳者、ミシガン州立大学研究者。アメリカ大衆文化、アメリカ史の研究を行うほか、国際一流企業、各種国際会議などの通訳を行う。またプロサッカーの審判員としても活躍。著書には『同時通訳者が教える 英語雑談全技術』『耳と口が英語モードになる同時通訳者のシャドーイング』(ともにKADOKAWA)など多数。英語で仕事をする人の応援サイト「ハイキャリア」にも執筆

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