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プライドが高い上司に「自分の話に耳を傾かせる」会話のテクニック

学び

話を真剣に聞けばガードは緩くなる

打ち合わせ

 それでは一体、話を聞いてくれないシチュエーションではどう対応したらよいのでしょうか。まず特性に無理に逆らうのではなく、むしろ利用することを考えましょう。こちらの話を聞いてくれないその相手が「年上で経験豊富、さらにプライドが高い」と分析したならば、無理にこちらの話を聞かせるのではなく、先に話を徹底的に聴くことに徹しましょう。

 誰であっても興味を持って話を聞いてもらうことは心地よいと感じるはず。その心理をうまく突いて話に耳を傾け、相槌を打ち、感嘆を表し、適度に質問をすることで信頼感を獲得するのです。

 態度から「話を真剣に聞いてくれる良い人だな」という雰囲気を感じたら、ようやくこちらが話をする番です。ただし、その時点では「この人の話に価値があるかどうかはわからないけれどとりあえず聞いてみよう」という状態なので、話を聞いて「価値がない」と判断されてしまう可能性が残っています。

 そうなってしまっては今までの努力が水の泡となってしまうので、今度は話す際に一工夫入れます。それは聞いた話を元にその人の興味や関心にヒットするように話を進めることです。しっかり話を聞いた後であれば、その人が何を求めているか、何に価値を感じているかはある程度、理解できているはずなので、それを利用させてもらうのです。相手にとっては自分の求めている話になるので、ほぼ確実に話を聞いてもらえるでしょう。

「相手本位」がコミュニケーションの極意

 本連載では対人コミュニケーションで陥りがちなトラブルと、それを回避するための様々なテクニックを紹介してきましたが、結局のところコミュニケーションの極意は相手の興味や関心、立場や心情を慮り、それを踏まえて対応する「相手本位」の姿勢にあると考えます。

 そして実際のアクションとしては「自分のことを話す」よりまずは「話を聴くこと」に比重を置いて話をすることを心がけましょう。そうすることで信頼を得て、さらには長期的に良好な関係を築くことにも繋がります。

 本連載の内容が、ご自身の対人関係でのトラブルの回避や解決に少しでもお役に立てたら本望です。

<TEXT/相原秀哉>

㈱ビジネスウォリアーズ 代表取締役。企業の生産性を上げる業務改革/働き方改革コンサルティングと課題解決スキルを教える研修、教育サービスを手掛ける。仕事と育児の両方にフルコミットしている
ビジネスウォリアーズ:HP

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