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『ガキの使い』放送作家・高須光聖氏、ネットでお笑いの「時代が戻って来てる」

暮らし

時代劇は自由度が高いから面白い

高須光聖

――ショートムービーや小説で「時代劇」を選んだのは、高須さんの好みによるものですか?

高須:時代劇って自由度が高いから好きなんですよね。その時代のことなんて現代の人は誰も知らないし、あれだけしっかり教えられた歴史の教科書に載ってる事実が違ったりもするじゃないですか。歴史的な大事件を本当は誰が仕かけていたとか、分からないことは山ほどあると思うんですよ。

 それと僕は勝新太郎さんの『座頭市』がすごく好きで。目が見えないのに剣の達人なんて、そんなわけあらへん(苦笑)。ただ、それってすごいファンタジーだし、面白いなって思う。僕は小説が小説で終わるのが嫌だったから、いずれ映画やドラマになることを考えたときに時代劇がいいなっていうのはありましたね。

“意義”を感じればモチベーションも上がる

――高須さんのように前向きに仕事に取り組めず、悩んでいる方も多いと思います。そんな20代のビジネスパーソンにメッセージをお願いできますでしょうか。

高須:20代の頃、ある不良中学校の教師に取材をしたことがあって。その教師は悪そうな生徒を「ぜんぜん恐くない」とおっしゃるんです。「えらいやせ我慢やな~」と思ってたら、続けて「不良生徒はとてつもないエネルギーがあって、少しズラせばスゴい社長になったり、スポーツ選手になったりする。ただ、心が動かない生徒だけは僕らにはどうしようもできない。エンターテイメントは、そういう子たちを動かすためにあるんだよ」って意外な言葉が飛び出した。

 そのときは「すごいこと言うな」くらいにしか思ってなかったけど、いまになってそれが沁みて来る。昔は面白いと思うことを放出するだけだったけど、自分のやってることの“意義”みたいなものを考えるようなったんです。意義を感じると、行動が変わってモチベーションも上がります。若い人には、そこを意識して物事に取り組んでほしいなと思いますね。

<取材・文/鈴木旭 撮影/スギゾー>

【高須光聖】
1963年兵庫県尼崎市生まれ。大学卒業後、MBSテレビ「4時ですよ~だ」で放送作家デビュー。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』『ダウンタウンDX』(ともに日テレ系)、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)などの構成も手掛ける。今年8月に初の小説『おわりもん』(幻冬舎)を上梓

フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中

おわりもん

おわりもん

ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、ナイティナイン……多くの煌めく才能と数々のヒット作を生み出してきた著者が挑む、究極の人間讃美の物語。

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