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私用車が営業途中に事故で大破!マイカーの業務利用に潜むリスク

学び

 直行直帰の多い営業職や介護、配送などの業界では、マイカーを会社の業務で使うための「個人車借上げ」という仕組みが導入されていることがあります。

ビジネス 交渉

※画像はイメージです(以下同じ)

 また、借上げ制度の有無に関わらず、「銀行に支払に行く」、「営業先から直帰する」といった場合に、普段から業務に私用車を使っている人も少なくありません。

 そのような人たちは、マイカーの業務使用には意外と大きなリスクが潜んでいることをしっかりと理解する必要があります。

「私用車を使える」という理由で地元に異動

 岡山県北部のとある小さな町に実家がある田原雄哉さん(仮名・28歳)は、大学を卒業し、岡山市内にある全社員20人程度のデザイン会社に就職しました。平日は市内で働き、休日になると会社から2時間ほどの実家に帰って、畑を手伝うなど充実した日々を過ごしています。

「もともと地元が好きでUターン就職したので、週末は営業車を借りて実家に帰っていました。仕事も打ち合わせなどで外に出ることが多くて忙しかったですが、やりがいがあって楽しかったです。ストレスフリーで働けていました」

 就職以来、順風満帆だった田原さんの状況が変わったのは、入社4年目の頃だったといいます。

「『岡山市密着』を掲げていた会社でしたが、僕の地元の隣町に唯一の営業所がありました。その営業所を一人で切り盛りしていたベテラン社員が引退することになり、僕が後任に選ばれたのです。主な理由は、地元が近く私用車を出すことできるから。社用車がなく、先輩のベテラン社員も長年自家用車を業務で使っていたとのことでした」

親の車を借りることにしたら…落とし穴があった

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 それでも田原さんは、実家を拠点にできることや自由にスケジュールを組めるなど利点も大きいと感じて、異動を承諾。ただ、マイカーを持っておらず、また購入にあてるお金もなかったため、しばらく実家にあった親の普通車を借りることにしました。

「ローンの頭金が貯まったら新車を購入する計画でした。両親とも、長男が帰ってくることと、あまり乗っていない車が1台あったのであっさりと了承してくれました。会社からも、あっさりとOK。会社はその答えを期待していたフシもありましたね」

 異動の準備は順風満帆。だからこそ、重要な手続きを見過ごしてしまっていたと田原さんは振り返ります。

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