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電通社員・34歳が監督した映画が評判。「しんどい仕事も映画の修行になった」

 クエンティン・タランティーノ監督やデイミアン・チャゼル監督らを輩出してきたサンダンス映画祭で、有給休暇で撮りあげた短編『そうして私たちはプールに金魚を、』が短編部門グランプリを受賞した長久允監督(ながひさまこと・34)

長久允監督

長久允監督

 実は長久監督は、現役の広告プランナーである電通マン! このほど長編監督第1作である『ウィーアーリトルゾンビーズ』が公開になりました。この作品もサンダンス映画祭で審査員特別賞オリジナリティ賞を受賞、ベルリン、ブエノスアイレスの映画祭でも賞をとっています。

 会社員でありながら監督としてデビューした長久監督に、短編映画のときを含め製作のエピソードや、長編監督デビューした今、会社は辞めないのか?など気になる疑問をぶつけました。

副業ナシでも映画監督を兼務できるわけ

――『そうして私たちはプールに金魚を、』(以下、『金魚』)でサンダンス映画祭のグランプリ(ショートフィルム部門)を獲得しましたが、本作はどのタイミングで着手されたのですか?

長久允監督(以下、長久):賞を取って、ユーロスペースで公開になり、半年経たないくらいのときでしょうか。第2子の育休を取ったときに脚本を書きました。

――『金魚』は有給休暇の期間中に撮られたそうですね。会社は監督の活動を知っていたのですか? 兼業はOKですか?

長久:仲のいい人には話していましたが、大ごとにはしていませんでした。あと、僕は電通に勤めていますが、副業はナシです。

『金魚』はビジネスとして僕には1円も入っていないんです。スタッフさんにはお金が発生していますが、僕は完全に趣味。劇場公開されたときにも僕には1円も入っていません。だから副業にはなりませんでした。有給期間中に僕が勝手に趣味で撮った作品が、たまたま賞を取って上映された。それでも僕には何のお金も入っていません。

『ウィーアー』の脚本は育休期間に書いた

WALZ

© 2019“WE ARE LITTLE ZOMBIES”FILM PARTNERS

――長編第1作となる今作については?

長久:今回は、『ウィーアーリトルゾンビーズ』の製作が業務になっているんです。だから普通の勤務として付けています。

――そうなんですか!? 電通が製作に入っていますね。

長久:出資で入っていて、僕も監督として業務で入っているんです。脚本は育休期間に書きましたが、実際に動き出してからは勤務です。