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転職でキャリアの“やり直し”はできるか?成功者が語る、2つの方法

学び

転職したことで満足度アップできた理由は?

 多くの人に相談した結果、運良く紹介制度を利用しESも内部者に添削してもらえたAさんは、転職後は以前よりも満足度は高いといいます。

「もともと憧れていた会社だということもありますが、やはりカルチャーや価値観が合っていたのでしょう。フリーアドレスやフレックスタイム制などが導入されていて、体育会系な雰囲気は皆無。余計なストレスを感じないことも満足度や充実感が高い理由だと思います。正直、最初の会社のときは無理に自分を周りの体育会系の文化に合うように頑張っていたのですが、続かなかったですね」

 見事、キャリア・リセットができたAさん。業界をまたいで多くの知人に話を聞いて得た知識や、今回の経験から得た学びを棚卸ししてもらったところ、キャリア・リセットの方法は大きく分けて、

①「ポテンシャル採用」で行きたい業界にすぐに転職
② 資格で未経験を補強してからの転職

 この2つに分かれるそうです。

「ポテンシャル採用」で行きたい業界にすぐに転職

ビジネスマン

「行きたい業界が決まっている場合は、すぐにその業界の転職を検討し始めるのがよいでしょう。なぜなら全く違うキャリアを歩み始める場合は、『ポテンシャル採用』や『第二新卒枠』は20代後半くらいまでしか採用されないからです。私の場合も28歳だったので危ないところでした(笑)」

 人材紹介業界、コンサルティング業界、Web広告営業などは門戸が広く許容年齢も高めですが、これは業界の人材流動性(離職率)の高さと比較的新しい業界であるかと相関関係にあります。

 また、「コンサルティング業界は、キャリアの幅の選択肢(経営企画、マーケ、商社事業部など)を広げることもできるので、その意味でもおすすめ」と言います。逆に離職率が低く、昔からあるような老舗の業界は、中途採用での年齢制限なども、より厳しめの傾向にあるため、これらの業界に入りなおしたい場合は、すぐに転職を決断するべきです。

すぐに転職しなくても人材紹介会社に聞くべき

 すでに30代にさしかかっている場合や、未経験では採用されにくい業界へ行きたい場合は資格取得で未経験を補強する方法もあります。資格のハードルは高いものが多いですが、MBAを取得してからのコンサルティング会社、大手の経営企画部門やマーケティング部門、あるいは会計士資格や簿記1級を取得して監査法人や大手の経理部門などに入社するやり方があるそうです。

 すぐに転職しない場合でも、Aさんは「人材紹介会社に一度話を聞くこととおすすめする」と言います。

「転職も年齢とタイミング次第のところもあるので、一度自分が持つ選択肢と状況を冷静に把握し、ご自身の人生にとっての最適なアクションを取っていけるように登録はしておいて、そのうえで、一度くらいコンサルタントの人に話を聞いてもよいと思います」

 ポテンシャル採用の選択がなくなった後では、もう遅い。もちろん無理は禁物ですが、もし今の自分の仕事に不満があるなら、早めに動いておいたほうが良いでしょう。

<取材・文/シルバー井荻>

平成生まれの編集者・ライターです。赤羽と阿佐ヶ谷に出没します。ビジネスサイトの編集長もやってました。

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