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会社に頼れない今、20代から「老後のために」準備できることは?

ビジネス

 街を見渡せば、警備員に自転車の整理員、コンビニ店員など高齢者が働く姿をよく見かける。人生100年と言われる今、定年後も働き続けるのは当たり前の時代かもしれない。

 老後によりよい仕事を得るにしても、なるべく働かずに過ごすにしても、今から何を準備しておくべきなのだろうか。

対談

矢部武さんと、西村創一朗さん(左)

60歳からの生き方再設計』などの著書を持つジャーナリストの矢部武さんと、複業の普及や育児と仕事の両立を目指す株式会社HARES(ヘアーズ)代表で”複業”研究家でもある西村創一朗さんに語ってもらった。

老後のために今から準備できることは?

矢部 武(以下、矢部):まず現状認識として、終身雇用や年功賃金、老後に十分な退職金といった、これまでの日本企業を支えていた雇用形態は、25年後には確実に崩壊していると思ったほうがいいです。

西村創一朗(以下、西村):現状の雇用制度で逃げ切れるのが50代、60代で、割り切って会社に頼らない働き方を前提に生きているのが20代ですね。

矢部:現状の制度で逃げ切ることも、新しい働き方を模索することもできずに立ち往生しているのが現在の40代現役世代です。

西村:長時間労働、副業禁止、単身赴任など自らの身を犠牲にして会社に捧げる代わりに、企業は終身雇用、年功賃金、解雇規制というメリットを提供する。こうした「御恩と奉公」のシステムが崩壊するなかで、将来的に大きな力となるのが“複業”です。

わたしが“複業”研究家を名乗るワケ

矢部武

ジャーナリストの矢部武さん

矢部:西村さんが“複業”研究家と名乗るのはなぜなんでしょう?

西村:複業を、本業に対する「サブ」の仕事ではなく、等価のパラレルキャリア=複業としてとらえるべきだと考えるからです。ちょっとした小遣い稼ぎではなく、本業に代わる収入の柱にもなりうるキャリアを今から築くことで、老後の仕事の幅も広がりますし、投資運用の際の資金源にもなる。

矢部:企業としても、年功賃金を継続できない以上、社員が複業で他に収入源を持ってくれれば助かるわけですからね。最初は額が少なくても、会社に頼らずとも稼ぐ道をつくっておく、ということが将来的な自信にもつながりますね。

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