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レオパレス、急成長の裏で生まれた“不発弾”。一級建築士が分析

ビジネス

 防火壁の役割を果たす、天井裏の「界壁」改修を進めていたレオパレスで、新たに1324棟で耐火不備などの施工不良が発見され、1万4000人以上が引越す事態になりました。

集合住宅

※画像はイメージです(以下同じ)

 今回の不祥事について、以前からサブリース問題について言及していた「全国宅地建物取引ツイッタラー協会(全宅ツイ)」に見解を求めました。

防火性能に関する違反は過去にも存在

 まず「全宅ツイ」会員にして、一級建築士のお鯛(@otto_morgen)さんはこう話します。

「建物の防火性能には、地域や構造、材料ごとに細かく仕様が決められた大臣認定があります。今回『大臣認定と実際の建物との仕様が異なっていた』というのが、レオパレスの発表です」

 そのうえで、防火性能に関する違反は「実は過去にもいろいろなハウスメーカーであった」と述べます。

「住友林業、東日本ハウス、アキュラホームなどで、ビスの長さや下地の仕様が大臣認定と異なると指摘されたケースがありました」

 難しいのは、使用した断熱材が“十分な性能を持つもの”であっても、大臣認定に違反してしまうことがあること。その場合どうなるのでしょうか。

「たとえ大臣認定と同等の性能を発揮する、むしろ性能が上がる場合でも違反は違反です。『認定の取り直し』をします。前出のハウスメーカー各社も防火性能違反の指摘後、『現況の施工方法での認定取り直し』で対応しています」

 つまり違反とされた仕様で大臣認定を取ることで、現況の仕様が基準を満たす形となり、法律に適合する状態に是正されることになります。

レオパレスの是正対応は他社とどう違う?

レオパレス

レオパレス本社 

 しかし、レオパレスは認定取得ではなく、改修工事による対応を発表しています。この対応からお鯛さんは次のように推測します。

「裏を返せば『現況の仕様では、どう頑張っても所定の性能を発揮して、大臣認定を取ることはできない』と認めているようなものです。よほどダメダメな状況なのか、あるいは細かい部分は物件ごとに現場任せで仕様がバラバラのため、認定を取り直そうにもできない状況なのではないでしょうか?

 大臣認定の取得に費用がかかるのは否めませんが、それでも何千棟もの物件の建て替えや是正工事をやるより、はるかに安くすみますから」

 是正対応が皮肉にも、ネットで囁かれる「チャイムを鳴らしたら全室住人が出てきた」「壁に画鋲をさしたら隣の部屋から悲鳴が聞こえた」といった“レオパレス伝説”の真実味を補うかたちとなったようです。