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40年後もなくならないお仕事は? トラブル処理はAIより人間の方がいい

ビジネス

「謝る仕事」はAIにはできない

 高齢の日本人だからこそニーズがあるという仕事もある。

「コールセンターでのトラブル処理やクレーム対応はAIが代替するようになるでしょうが、相手の元へ直接出向いて謝罪する仕事は、AIや外国人では担うことができませんし、高齢であることがハクにもなります」(松本氏、以下同)

老後の職探しのリアル

<謝り侍>「人間が言葉を尽くして謝る」ことが重要なので、AIや外国人には代替できない。さまざまな企業の謝罪業務を担う「謝罪バンク」のような企業のディレクションで、高齢の謝り侍が活躍する日がやってくる!?

 ペット人口が増え続け、さらにペットケアへの意識が昔よりも高まっているなか、依頼者の細かい希望に合わせられるペットシッターのニーズも増えていく。

「自動餌やり機や見守りカメラなどのシステムは進歩するでしょうが、生き物相手の仕事はAIが完全に代替することは難しい。ペットの扱いに慣れている人であれば、高齢であることが依頼主にもペットにも安心感につながるというアドバンテージもあります」

老後の職探しのリアル

<ペットコンシェルジュ>少子高齢化が進み、子供のいない夫婦や、子供が独立した老夫婦などによるペットのニーズは今後も増加。お金持ち老夫婦が海外旅行に行っている間、貯金のない老人はシッター業務で生活費を稼ぐという格差感は否めない

高齢化社会ならではの需要

 高齢化社会が進むことで需要が増える仕事もある。

「ひとつは便利屋。DIYが得意な人だったら、男手のいない女性の独居老人相手に家の中の簡単な補修やプチリフォームをしたり、逆に女性だったら奥さんに先立たれた男性老人向けに家事代行をしたりする仕事です。

 老後の人生が長くなるゆえ、習い事や趣味へのニーズも高まりますから、稽古事の先生もアリでしょう。現在は若い世代のものと思われているネットニュースなどのコンテンツも、今後は高齢者向けのコンテンツが増えるでしょうから、高齢者向けの記事を書けるライターなどもニーズはあるでしょう」

老後の職探しのリアル

<レンタルおじいちゃん>DIY、家事代行など、得意分野や暇を生かしてできる仕事は高齢化社会において確実にニーズが高まる。実際はそこまでの技術がなくても、老人なら長年培った匠の技風に見える。ただし、体力があることが重要となる

老後の職探しのリアル

<シニア専門WEBライター>スマホやSNSを使いこなす世代が老人になったときに、同世代の目線で「高齢者のセックス事情」など、老人向けのコンテンツを提供。ライター以外にも、高齢者向けの出会いを提供するSNSビジネスなども可能性アリ

 高齢化社会において、高齢者は労働力であると同時に、市場を支える消費者でもあるのだ。

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