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副業を法人化するべきタイミングは?意外なデメリットも

コラム

 働き改革の一環として、大手企業が副業を容認するなど、大きな動きがあったこの1年。前回まで、個人事業主として副業を進めるためのポイントをお伝えしてきました。

マネーを持つビジネスマン

※画像はイメージです(以下同じ)

 今回は、副業が軌道に乗り、事業として規模が大きくなった場合、「個人事業主として継続するべきか、それとも法人化するべきなのか」について解説していきたいと思います。

いくら稼いだら法人化したほうがいい?

 私の職業柄、副業をしている個人からだけではなく、経営者として複数の事業を営んでいる方からも「この事業は法人化したほうがいいですか?」と質問されることがあります。

 事業が順調に成長し、規模が拡大していくと、法人化を考え始めることが多いと思います。

 本業による収入の金額、事業の種類に基づく売上構造、マーケティング手法やコスト構成が当然、異なりますので、一律の回答は難しいというのが本音ですが、一旦、給与所得が700万円ほどあり、プラス副業をしている方を前提にしたいと思います。

 目安としては、事業所得(ここでは副業収入)の「利益」が、1000万円を超えるようになる場合は、法人化を検討してもいいかもしれません。

1000万円超えなら法人化したほうがいい理由

 理由としては、給与所得(=本業の収入)と事業所得(=副業の収入)を合算すると、適用される所得税+住民税の税率が、法人税の実効税率を超える可能性が出るためです。

 年収が2000万円を超えると、控除項目にもよりますが、所得税+住民税の税率が約30%となり、法人税の実効税率と同程度になります。

 また、その規模の事業になると、副業のつもりであっても、事業の売上や経費にかかる消費税の納税義務も発生するため、別な会社としてしっかり分離管理するほうが良いと思うからです。

 ここで注意するべきは、税金がかかる対象となるものは、事業によって稼いでいる利益であり、売上ではないという点です。

 売上は、取引相手から得る単純な収入金額ですが、利益は、その売上から事業に要した経費(携帯電話の通信費、事務所家賃、会議に伴うカフェなどの場代、外部への委託費など)を差し引いたものです。なお、フリーランスのようにもともと給与所得がない方であれば、事業所得の利益として2000万円がひとつの目安になるでしょう。

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