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20代で「やりたいこと」が見つからない人がするNG行動

学び

 春の陽気になると、「頑張ろう!」と心機一転する機会も増えるシーズン。ところが一転、「あれ? 何を頑張るだっけ?」と、自分のキャリアや仕事で先行き不安になる人もよく見かけます。

 メディアを見るとグローバルエリート、スタートアップ起業家など“デキるビジネスパーソン”が持てはやされ、仮想通貨で一発当てる人、今後のことを考え副業(複業)を手掛ける人など目まぐるしく多様な生き方が加速度的に広がってきているように見えます

「やりたいことが見つからない」のは悪いこと?

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※画像はイメージです(以下、同じ)

 翻って、自分はどうだろうかと考えるものの「やりたいことが見つからない」と焦っていませんか? でもね、私は以前から疑問に思っていたんですが、「やりたいことが見つからない」というのはそんなに悪いことなのでしょうか

 確かに、将来はプロ選手として活躍することを小学生時代から決めていたイチロー選手、本田圭佑選手のような人もいます。20歳そこそこで人生50年計画を立てた孫正義氏のような人も一定数います。

 しかし、私のまわりにははじめから自分のキャリアや人生に確固たるプランを持っていた人などほとんどいません。さまざまな偶然やご縁が積み重なり、結果として生き方の輪郭が見えてくるというものです。やりたいことを見つけようとして、頭をひねって考えて出てくるものでは決してありません。

 今、自分の頭の中にあることは他人の情報がインプットされただけの“借り物のプラン”の可能性があり、“自分らしさ”が薄れていることさえも考えられます。むしろ直感やご縁などいくつかの“偶然”に触れているうちに、自分にジャストフィットする感覚のものに出会うもの。そう肩の力を抜いたほうが、変化が激しい時代には柔軟性を持って乗り切れるのではないでしょうか。

天職は「結果として」見つかることもある

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 以前、村上春樹氏の自叙伝を読んだ時に驚愕した記憶があります。世界的作家になっているほどですので、学生時代から作家を目指していたと思っていたんですね。ところが現実は、ジャズ喫茶を営んでいる若かりし頃、神宮球場にプロ野球観戦に行き、1回裏、ヤクルトの先頭打者が二塁打を打った瞬間、突如小説を書くことを思い立ったことが発端だったそうです。

 もちろん、本当に彼がその瞬間に決心したかどうかはわかりませんが、少なくとも明確なキャリアプランではなく直感を大切にする中で自分の道を切り拓いていったようです

 私自身も今では経営コンサルタントとしてまた講演や執筆などを天職にしていますが、やりたいことを見つけてから歩んできた道ではありません。25歳で起業したものの、実はたいしてやりたいことがなかったために始めた商売が長続きせずに資金もすぐ枯渇状態に。

 そんなある日のこと、異業種交流会で知り合った当時40代の経営者の方に、「酔っぱらって熱弁している君は面白い!」と会社に呼ばれ新規事業を手伝っているうちに、ビジネス支援の面白さに取り憑かれて今の仕事が本業になったほどです。

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