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ブリヂストン、大規模リストラから増収増益で復活。大手企業社員にも“冬の時代”か

ビジネス

 組織再編の大改革を進めているブリヂストンの業績が好調です。2021年12月期の売上高に当たる売上収益は前期比20.4%増の3兆2460億円となりました。

ブリヂストン

ブリヂストンのタイヤ ©VLRS

 調整後営業利益は前期比9割増となる3943億4000万円。営業利益は新型コロナウイルス感染拡大前の2019年12月期と比較しても15.5%増となります。最終利益も3940億円で、7年ぶりに最高益を更新。

 事業売却や人員削減による効果は目覚ましく、日本企業の“成果モデルケース”と呼べる内容です。世界景気に陰りが見える中、リストラの波は、他のかつて高収益体質だった企業にも押し寄せるかもしれません。

続々と整理される「不採算部門」

 ブリヂストンは収益性を高めるため、不採算部門を整理して成長事業に投資をする方針を打ち出していました。2021年6月にブリヂストンサイクル騎西工場を閉鎖。2022年以降にブリヂストン化成品の四国製造課、岐阜製造課、御殿場工場、ブリヂストンケミテックの上尾製造所も閉鎖が決定しています。

 同時に賃金制度の見直しなども行っており、その削減効果は計画の130億円を上回る137億円。工場など生産拠点の再編は、計画の120億円を上回る130億円の削減効果が働きました。

営業利益率はコロナ前を大幅増

ブリヂストン

ブリヂストン固定費の削減効果 ※「中期事業計画(2021-2023)進捗」より

 2020年12月期から国際会計基準であるIFRSを採用しています。IFRSは日本の会計基準と異なり、営業利益の中に営業外収益と営業外費用が含まれます。2021年12月期のブリヂストンが営業利益を国内基準に戻すと3878億円。営業利益率は11.9%となります。

 この数字は業績好調だった2017年12月期を0.4ポイント上回り、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年12月期の9.2%を2.7ポイントも上回りました。リストラ計画は成功し、着実に稼ぐ力を取り戻しています

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