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スノーピークの株価が2か月で2倍に…アウトドアブームで絶好調な業績を読み解く

ビジネス

 アウトドア用品のスノーピークの株価が2021年9月14日に6100円の高値をつけました。7月2日の安値は3010円。わずか2か月で2倍に跳ね上がったことになります

スノーピーク

画像はスノーピーク公式サイトより

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 スノーピークは8月12日に決算の上方修正を発表していました。2021年12月期通期の売上高を205億円から245億円に19.5%アップ、営業利益を20億500万円から30億円へと46.3%引き上げました。

 さらに純利益は57.3%増の18億円。株価を1株純利益で除して算出するPERが、株価を決める要因のひとつとなるため、スノーピーク株の上昇に繋がりました。なぜ、スノーピークはこれほど業績が好調なのでしょうか。本記事ではその背景を解説します。

コロナ禍でもキャンプの市場規模は微減

 スノーピークの業績が予想通りに着地すると、2021年12月期の売上高は前期比46.1%増、営業利益は100.9%増となります。営業利益率は2ケタ台の12.2%。前年同期から3.3ポイントも上昇しています。

 同社は2021年12月期第2四半期の段階で、売上高が前期比77.6%増の116億7300万円、営業利益が513.5%増の16億1300万円と好調でした。なお、新型コロナウイルス感染拡大が鮮明になった2020年においても、スノーピークの業績は堅調でした。売上高は前期比17.6%増の167億6400万円、営業利益は61.6%増の14億9300万円でした。

 コロナ禍に見舞われた日本で、キャンプ場がにぎわっていたのを目にした人も多いと思います。キャンプ場は密を避けられ、家族や仲間など少人数で楽しめることから、市場が大きく縮小することがありませんでした

アウトドア市場規模推移

業績推移

スノーピークの業績推移(図版は筆者作成)

 矢野経済研究所の「アウトドア市場に関する調査を実施」によると、2020年のアウトドアの市場規模は4895億2000万円で、前の年に比べて5.3%の減少に留まっています。その中でもスノーピークの中心アイテムである「ライトアウトドア」の市場規模は2020年が2822億2000万円。前年比1.2%の減少でした。

 ちなみに、観光庁の「旅行・観光消費動向調査」によると2020年の日本人国内旅行消費額は9兆9738億円で、前年比54.5%の減少となっています。旅行の壊滅的な打撃に比べて、キャンプへの影響は軽微でした。

 2021年はコロナ禍での過ごし方に人々が慣れ、屋外で過ごすキャンプ熱が高まったものと考えられます。キャンプに関してひとつ興味深いデータがあります。日本オートキャンプ協会が行ったオートキャンプの動向調査です。それによると、2020年はキャンプ経験1年のキャンプビギナーが25.9%となり、2019年から3.3ポイント増加しています。さらに、キャンプに行く回数は平均4.6回と0.2回頻度が増えているのです。コロナをきっかけとしてキャンプビギナーが増え、アウトドアの機会も増加しました。

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