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ポケモンGOの開発は「エイプリルフールのジョーク」がきっかけだった

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 手元のスマートフォンが、知らない場所までの道案内をしてくれる。Googleの提供する「Googleマップ」や「Google Earth」は、私たちの生活スタイルに大きな変化をもたらしました。

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『NEVER LOST AGAIN グーグルマップ誕生』(TAC出版)

 さらに、各サービスは位置情報を使ったゲームアプリ「Ingress」や「ポケモンGO」へと派生し、今なお形を変えながら多くの人々に浸透し続けています。

 そもそものサービスを開発したのは1999年に設立され、2004年にGoogleへ買収されたキーホールというアメリカのスタートアップ企業です。その立役者の一人であり、現在は「ポケモンGO」を手がけるナイアンティック社のマーケティングVP(ヴァイスプレジデント)を務めるビル・キルデイ氏の著書『NEVER LOST AGAIN グーグルマップ誕生』(TAC出版)には、開発にまつわる秘話が時系列で収録されています。

 本書の中から、一大ムーブメントを巻き起こした「ポケモンGO」にまつわるエピソードを紹介していきます。

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※画像はイメージです(以下、同じ)

エイプリルフールのジョークがアイデアの源

 2016年7月。アメリカを皮切りに世界各国で配信が開始された「ポケモンGO」は、わずか20日間で売上高1億ドル(約100億円)に達するなど、さまざまなギネス記録を打ち立てました。日本国内でも、ポケモンを求めて街中を歩き回る人たちの姿を各地で見かけるほどのブームとなりましたが、そもそもの始まりは2014年までさかのぼります。

 きっかけとなったのは、その年にGoogleが提供したエイプリルフール企画でした。ポケモンのキャラクターを地図上に配置するという異例の取り組みは世界的な大ヒットとなりましたが、仕掛け人となったのは、のちに「ポケモンGO」の開発リーダーを務めることになるGoogleの若きエンジニア、野村達雄氏です。

 子供の頃から憧れていたポケモンの世界を、現実に近い仮想空間で再現した野村氏の試み。そこに目を付けたのがナイアンティック社の川島優志氏と、同社のCEOであり、キルデイ氏と大学時代からの旧友でもあるジョン・ハンケ氏でした。当時、ナイアンティック社は「Ingress」に続くGPSを用いたゲームを検討していましたが、キルデイ氏は著書の中で「ポケモンとの相性が完璧であることはすぐに分かった」と振り返っています。

 その後、正確な位置を示す地図情報サービスと「Ingress」で得た知見、さらに、当時としては各方面で活用が模索されていたAR(拡張現実)を融合した「ポケモンGO」が、世界中で大ヒットになったのはいうまでもありません。現実世界をゲームの舞台にした取り組みについて、キルデイ氏は「まったく新しい業界の方向性を示す北極星のような存在になった」と回想します。

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